昨年、「打率3割・30本塁打・30盗塁以上」の「トリプルスリー」を達成した柳田悠岐

昨年、「打率3割・30本塁打・30盗塁以上」の「トリプルスリー」を達成したソフトバンクホークスのギータこと柳田悠岐

誰もが認める球界屈指のトップアスリートは今年、なんと日本球界前人未到の「40本塁打・40盗塁以上」、すなわち「40・40(フォーティ・フォーティ)」を目指すと宣言した。

しかし本人を直撃すると、「結局、やるかやらないかは自分自身の問題ですから。『どうせ、できんやろな』くらいの気持ちでやっています」と意外に後ろ向き?

「あまり数字ばかり意識せず、チームに少しでも貢献できるように一日一日プレーするだけです。そうすれば、ある程度、数字は残るのではないかなという気持ちです」

と、堅実に語っているが、それも柳田本人が昨年の成績に決して満足していないからだという。

「去年の成績で満足できるのは打率(3割6分3厘)だけ。ホームランも盗塁もまだまだやな、と思います」

しかも、その打率についてさえ「.363なんてもうムリでしょう(笑)。昨年はツキがあったと思います」と評し、「2年連続トリプルスリーだって、日本ではまだ誰も達成していませんから。基本的にはムリなんス(笑)」と繰り返す。

今年1月には、グアムで一緒に自主トレをしていた松中信彦さん(3月1日に引退を表明)からアドバイスを受け、「4番で40・40を目指します」と宣言していたはずだが…。

「あれはノリです(笑)。グアムの開放的な雰囲気で、そんな感じになって、つい言ってしまいました。けど、日本に帰ってきて冷静になったら、自分にはまだ務まらないなと。それ以前に、チームが優勝することが一番ですから」

もっとも、昨年オフに右ヒジの遊離軟骨除去手術をした影響も未知数。だからこそ尚更、「2年連続トリプルスリーを達成したい。40・40はあくまでその上で」と、トリプルスリーの難しさを知る男は、冷静に自身を客観視できているのだろう。

柳田にはなくてはならないもの

そんな、柳田になくてはならないものがある。…それがマンガだ。単行本ではほとんど読まず、今でも毎週欠かさず週刊漫画誌を読み込んでいるというが…。

「プロ入りしてすぐの頃は、練習がメッチャしんどかったんですけど、マンガ雑誌の発売日を楽しみにして乗り切っていました。だから、買ったらすぐに読んじゃいます。『マガジン』の発売日の水曜日から『ジャンプ』の発売日の月曜日までが間が空くのでキツかったあ」

最近では、なんの作品にハマっているのかを尋ねると、「いや、全部オモロイからなぁ。でも僕、『マガジン』好きっすね」

あの、一応、『週プレ』は集英社なのだが…。

「あ……。『ジャンプ』も好きっス(笑)。いや、本当っス。『ONE PIECE』もあるし、特に『食戟(しょくげき)のソーマ』は好きですね。熱いっス。主人公・創真のどんな逆境にも『負けねえ!』っていうあのスタイル、カッコいいわぁ。しかも、エリートではないじゃないですか? 雑草系で、どん底からはい上がっていく姿も好きですね」

自身の球歴と似ているところがある?

「いやいや、あんなにカッコよくないっス。でも自分は本当、マンガがなかったら生きていけない。そのくらい好きです。僕は毎週マンガ雑誌が買えるくらい稼げればそれでいいんです(笑)。でも今は家庭があるから、そうはいかないですけどね」

熱く語る柳田だが、他にも某アイドルファンを公言するなど、豪快なプレー同様「トリプルスリー達成のエース」というだけに留まらない魅力が満載。3月19日発売の『週刊プレイボーイ』14号では、そんなギータの人となりに、さらに迫ったインタビューを全文掲載しているのでお読みください。

(取材/寺崎 敦 構成/キビタキビオ 撮影/繁昌良司)

■週刊プレイボーイ14号(3月19日発売)「SB柳田悠岐インタビュー『40・40は…基本的にはムリっす(笑)』」より