念願のメジャーデビューを果たした前田健太。ロサンゼルスへ凱旋する初登板で街をヒートアップさせられるか…

日本時間4月7日、念願のメジャーデビューを果たしたロサンゼルス・ドジャースの“マエケン”こと前田健太。初登板となったパドレス戦では6回を投げ、5安打無失点の快投。さらに、自らホームランを打つ活躍もあり、初勝利でファンの心を一気につかんだ。

ファンのみならず、キャンプ、オープン戦での投球を見てきたメジャー関係者の評価も上々だ。ドジャースと同じナショナルリーグに所属する某球団のスカウトは次のように語る。

「現在、前田はドジャースの先発ローテーション3番手扱い。順調に力を出せれば、年間180イニングを投げ、15勝10敗、防御率3点台後半あたりの数字も期待できると見ています」

マエケンといえば、昨年まで6年連続2桁勝利を挙げている広島のエース。しかし、よく考えてみると大谷翔平(日本ハム)のような剛速球もなければ、田中将大(ヤンキース)の24勝0敗(楽天時代の2013年)のような伝説的な実績もない。

さらに、ダルビッシュ有(レンジャーズ)のような「見るからにエグい球」もない。岩隈久志(マリナーズ)のスプリットのような空振り必至の落ちる球もない…。

日本の野球ファンも、「前田のどこがスゴいのか」をきちんと説明できる人は意外と少ないんじゃないだろうか? マエケンを広島時代からずっと見続けてきた、ナ・リーグ某球団のアジア担当スカウトはこう解説する。

「球威、球速は、メジャーでは“並”の水準。日本時代はスライダーが決め球でしたが、それもメジャーでは絶対的なウイニングショットにはなりません。ただ、逆に言えばすべての面で平均的に高いレベルにある。あえて言えば『特徴がないのが最大の特長』でしょうか。

投球内容もそう。4、5年前から彼を見てきましたが、正直、“圧巻のピッチング”の記憶はありません。ただ、逆に“絶不調のヒドい試合”もない。つまり、いつも安定しているわけです」

その安定感の原動力は、抜群の制球力と変化球の多彩さ。この点はメジャーでもかなりの高水準だという。

「落ちる球はなくとも、低めに徹底してコントロールできる能力は岩隈以上。さらに、スライダー、チェンジアップ、カーブなどを両サイドに散らす投球術は、メジャー在籍時の黒田博樹(現広島)に勝るとも劣りません。夏頃にはヤンキースの田中のように、アメリカでも誰もが知る投手になっているでしょう」(前出・ナ某球団スカウト)

どうやら、マエケンは日本以上にメジャーで高い期待を寄せられているようだ。しかし気になるのは、どうしてそれだけ高評価な選手が「買い叩かれた」のか。そこには、日本人メジャーリーガーにつきまとう、“あるジンクス”が影響していた?

月曜発売の『週刊プレイボーイ』17号では、現地スカウトの証言などをもとに、マエケンの契約事情と評価、さらには日本人メジャーリーガーの評判についても、詳しく掲載しているのでそちらもお読みいただきたい。

■週刊プレイボーイ17号(4月11日発売)「買い叩かれた男・マエケンは「日本人ジンクス」を覆せるか!?」より