盛況が続く日本女子ゴルフツアー。その人気に陰りは見られないが、過去5年を振り返ると、2013年の森田理香子以外はすべて韓国勢が賞金女王の座に就いている。
それどころか、14年は賞金ランキングの上位4位までを、昨年に至っては上位5位までを外国勢が独占した。
この現状が好ましいとはいえず、多くのファンが日本人選手による賞金女王争いを期待しているはずだが…。大相撲でのモンゴル勢による覇権争い、日本人横綱待望論にも似た、複雑な様相ーー人気面でも外国勢が牽引するままでは危うい兆候が見え隠れし、日本人選手の逆襲は?
■イ・ボミを筆頭に上位独占!
女子ゴルフ人気の勢いが止まらない。3月に開幕した今シーズンは計38試合に増加。賞金総額は35 億2千万円となり、4年連続で過去最高額を更新している。
だが昨季は、37試合中22試合で外国人選手が優勝。年間獲得賞金の上位5選手は外国勢が独占した。今季も先日は福島浩子が悲願の初優勝となったが、8試合を終えた時点で賞金ランク上位4位までを外国勢が占めている。
中でも、名実共に他選手をリードするのが、昨季国内ツアー初となる年間獲得賞金2億円を突破し賞金女王となったイ・ボミ(韓国)。今季もわずか3試合の出場ながら、第2戦のヨコハマタイヤPRGRレディスで優勝し、現在、賞金ランク1位と好スタートを切った。安定したプレーぶりは健在で、2年連続となる賞金女王の大本命といえる。
さらに今季、そのイ・ボミに追随する存在がいる。昨年から日本ツアーに参戦している元韓国女子ツアーの賞金女王、キム・ハヌル(韓国)だ。開幕から4戦連続で優勝争いに加わって、4戦目のアクサレディスで優勝。日本ツアー通算2勝目を飾って、賞金ランク2位につけている。
今やこの2選手に、日本人選手は実力だけでなく、人気面でも大きく水をあけられている。この状況は日本女子ゴルフ界にとって決してプラスとはいいきれない。
実は、こんなデータがある。昨季、女子ツアーのギャラリーは増加しているものの、大会最終日の平均視聴率(ビデオリサーチ調べ・関東地区)は前年比0.3%ダウンの5.9%に減少している。つまり、日本人選手が優勝争いに絡(から)めない状況に視聴者が離れ始めているともとれる数字だ。
ファンが期待しているのは、やはり日本人選手の活躍。外国人選手と互角に渡り合って、ツアーを制す〝ヒロイン〟の登場を待ち望んでいる。
というわけで、発売中の『週刊プレイボーイ』19・20GW合併号』では、逆襲を期待できる日本勢の女子ゴルファー10人を一挙紹介! そちらでチェックしていただきたい。
(取材・文/水野光博)