憧れの両国国技館のリングに初めて立った才木玲佳。試合後のインタビューでも疲れを見せず笑顔 憧れの両国国技館のリングに初めて立った才木玲佳。試合後のインタビューでも疲れを見せず笑顔

来年、旗揚げ20周年を迎えるDDTプロレスのビッグショー『両国ピーターパン2016 世界でいちばん熱い夏』が8月28日、両国国技館で盛大に行なわれた。

お笑いあり、真っ向勝負ありの全12試合は、まさに「プロレスの宝石箱やぁ」といった感じ。

そんな様々な宝石の光が交錯する中でも、カオス状態になったのが第2試合「アイアンマンヘビーメタル級選手権時間差入場バトルロイヤル」だ。この王座は「レフェリーさえ、その場にいれば、いつでもどこでも挑戦可能な日本プロレス界唯一無二のタイトル」。

おかげで歴代王者は延べ1千人を超え、そこにはラブドールの「ヨシヒコ」はもちろん、人間以外のモノまで…。この日のディフェンディングチャンピオンは、国技館名物・焼き鳥であった(!?)。

リング上では元WWEスーパースター・KENSO、デスマッチ界のレジェンド・葛西純、赤井英和の娘・赤井沙希、そして週プレNEWSでもお馴染みの筋肉アイドル・才木玲佳らバラエティ豊かな総勢13人の挑戦者が組んずほぐれつ…。めまぐるしく王座が移動し、最後に生き残ったのは焼き鳥だったが、試合後のバックステージで南海キャンディーズの山里亮太が事情を知らずにその焼き鳥を完食し新王者になるという、予想だにしない結末を迎えた。

さらに、この日一番、満員の国技館が爆笑の坩堝(るつぼ)と化したのは第6試合、王者・LiLiCo対挑戦者・男色ディーノの「DDT EXTREME級選手権試合~渡瀬・コントラ・渡瀬マッチ」だ。

 男性客に襲い掛かるなど、今回もやりたい放題の男色ディーノ 男性客に襲い掛かるなど、今回もやりたい放題の男色ディーノ

渡瀬というのは、LiLiCoの20歳年下の恋人で、イケメンレスラー渡瀬瑞基のことである。かねてからふたりは濃厚キスを白昼堂々披露するなど熱愛ぶりを見せつけており、そんなふたりの交際を「渡瀬の売名行為」と断じたのが、その名の通り日本を代表するゲイレスラー、男色ディーノであった。

「敗者は未来永劫、渡瀬に触れてはならない」という無慈悲なルールが定められた因縁マッチは、ディーノがTバックのナマ尻でLiLiCoの顔面を押しつぶすなど下劣な攻撃のオンパレードで勝利。

 最後は男色ドライバーでフィニッシュ! 最後は男色ドライバーでフィニッシュ!

ところが試合後、渡瀬はLiLiCoとの別れを拒否するどころか、指輪を手に本気のプロポーズ! さらに「ちょっと待った!」と、往年のねるとん紅鯨団ばりに次々にレスラーたちがリングに上がると、LiLiCoに求愛、皆が彼女の知名度を利用して成り上がりたいという下心を隠そうともしない始末。リング上は男たちの欲望と、欲望に弄(もてあそ)ばれたLiLiCoの嗚咽(おえつ)で地獄絵図と化したのであった…。

そんな中、休憩明けにはザ・グレート・カブキ、越中詩郎、ディック東郷らレジェンドたちが変わらぬ奮闘を見せ、セミファイナルでは“DDT不動のエース”HARASHIMAがKO-Dタッグ王座を奪還。

そして大一番の締めくくりは、21歳の若き王者・竹下幸之介と195cm、140kgの大巨人・石川修司の「KO-D無差別級選手権試合」。40kgの体重差をものともせず、竹下がスープレックスで投げまくるも、最後は経験とパワーに優る石川が若き王者をねじ伏せベルトを奪取した。肉が弾け骨が軋(きし)むーーこれぞプロレスの醍醐味(だいごみ)というド迫力の一戦だった。

 (左)195cm 140kgの巨体をすばやく動かしコーナーからドロップキックをお見舞いする石川。(右)21歳の現役大学生ながら将来が期待される闘いを見せた竹下 (左)195cm 140kgの巨体をすばやく動かしコーナーからドロップキックをお見舞いする石川。(右)21歳の現役大学生ながら将来が期待される闘いを見せた竹下

お腹いっぱい夢いっぱいの興行だったが、週プレとしては国技館という大舞台のリングに初めて立った才木玲佳ちゃんが気になるところ。というわけで、試合後に直撃!

試合後も元気いっぱいのれいたんを直撃!

―お疲れ様でした! 両国のリングに立ってみて、いかがでしたか?

才木 デビューして半年も経っていない私が立たせてもらっていいのかな?と最初は不安もありましたけど、すごく嬉しくて、これはもうやるっきゃないって思いました!

 入場する才木玲佳 入場する才木玲佳

―緊張した?

才木 緊張しましたよ~! でも、試合前の緊張は何度経験しても慣れない気がします。そういう意味では会場の大小は関係ないかも。今回は、私の出番の前からすごく盛り上がっていたので、これは楽しもう!と、すぐにスイッチが入りました。

―じゃあ、結構、冷静でいられた?

才木 割と冷静になれました。筋肉ポーズをしている時、お客さんの視線も感じられましたし!

―赤井沙希選手とは激しく蹴り合いましたね。

才木 痛かった! でもすごく気持ちよかったです。お客さんも盛り上げてくれて、キックの強さもエスカレートしていきました。

 赤井沙希との蹴りあい。女性同士とはいえ身長差は14cmも! 赤井沙希との蹴りあい。女性同士とはいえ身長差は14cmも!

―最後は、肥満体型の伊橋剛太選手が突進してきて、自らトップロープを飛び越え失格。逃げ足速かったですね(笑)。

才木 伊橋選手がグワーって来て、ムリ~!って逃げちゃいました。あれは耐えられなかった(苦笑)。

―ところで、実は手をケガしていたとか?

才木 そうなんですよ。試合で負傷してしまって、ちょっと不自由はしているんですが…両国ですよ! これは出ないわけにはいかない!

 男性選手相手に豪快なブレーンバスター! まさに小さな巨人!! 男性選手相手に豪快なブレーンバスター! まさに小さな巨人!!

―ケガを押して試合に出るなんて、本当にプロレスラーみたいですね。

才木 ハハハ! あ、本業はアイドルなんですッ!(笑) 今は筋肉をウリにしてますけど、これからは私の人間性であったり、技であったり、もっとスキルアップして良い試合ができるレスラーになっていきたい…本業はアイドルなんですけど(笑)。

―では今後、誰か絡(から)んでいきたい選手とかは?

才木 個人的にはレディビアードちゃん(オーストラリア出身の女装レスラー)がすごく好きで、「筋肉&カワイイ」っていう私と同じコンセプトじゃないですか。タッグを組んでやれたらいいなって、勝手に思ってます。DDTさんはすごい団体だし、お客さんの愛も温かいし、今後も上がらせていただけたら嬉しいです!

【DDT告知!】 9月も毎週末、東京をはじめ各地で興行!…9月29日(木)東京・新宿バルト9にて『DDTドラマティック総選挙2016』の結果発表! 11月6日(日)東京・新木場STUDIO COASTでプロレスと音楽のコラボイベント「DDTフェス2016 supported by ナタリー」開催。参加アーティストは筋肉少女帯、清水アキラ、DISH//、BiSH、ベッド・イン、カメレオ、マッチョ29ほか。プロレスの試合には、あの飯伏幸太の参戦も決定! ★チケット料金など詳細はDDT公式サイト(http://www.ddtpro.com/)またはDDT公式スマホサイト(http://ddtpro.jp/)にて。

(取材・文/中込勇気 撮影/五十嵐和博)