順調にマジックを減らし、25年ぶりのリーグ優勝が目前となった広島カープ。にもかかわらず、めっきり影が薄いのが就任2年目の緒方孝市(こういち)監督だ。カープ番記者が言う。
「現役時代から地味でしたが、コツコツ努力を重ね、“たたき上げ”で一流選手になった。監督になっても、派手な采配や言動、パフォーマンスとは無縁の人。今季、話題になったことといえば、鈴木誠也の2試合連続サヨナラ本塁打を評した『神ってる』がちょっとした流行語になったくらい」
実際、マツダスタジアムのカープファンに聞いても、
「去年はファンの間でも『緒方の采配がひどすぎる!』とか『地味すぎて監督の器でない』っていわれてたけど、今年は話題に上ることもほとんどない」(40代男性)
「今季はピッチャーが多少、点取られても打線が打ってひっくり返しよるから、監督の采配なんてあってないようなもんじゃろ」(50代男性)
と、その手腕を評価する声はほとんどなし…。だが、前出のカープ番記者はこう言う。
「確かに昨年は、われわれから見ても『あれ?』という采配が結構ありました。それに黒田や新井が復帰し、マエケンが残留したのに4位に終わり、監督はかなり悔しい思いをしたはず。でもそこはさすが“たたき上げ”。今季は相手チームのデータやカープの二軍選手のVTRをコツコツと猛勉強。そのため、誰よりも早く球場に来る。ナイターなのに、朝の8時半に球場入りすることもあるほどです」
チーム内では「朝イチに球場に来た監督が、マツダスタジアムの電気をつけている」なんて冗談も出るほど。
「この超早出出勤の効果か、今季は選手の状態把握や起用、一、二軍の入れ替えなど、確実に昨年よりよくなっています」(前出・記者)
監督としてもただ今、順調にたたき上げ中!?
(取材・文/本誌ニュース班)