
「今の代表は一体、何をしたいんだろうな」
開口一番、そうつぶやいたのは元日本代表のレジェンドFW、釜本邦茂氏(72歳)だ。
現在、日本代表は大ピンチ。W杯アジア最終予選で3位にあえいでいる。本戦に出場できるのは2位まで。へたをすると、A組3位とのアジア地区プレーオフを戦う羽目になる。
釜本氏はハリルホジッチ監督の采配をこう批判する。
「ハリルは突然、パワープレーを戦術に組み込んだけど、そうなると空中戦の強化が必要で、ボールを収められて、高さでも勝てる選手をトップに起用しないといけない。でも、ハリルは浅野(拓磨)とかスピードが売りの選手を使っている。アジアのチームはDFラインが深く、キーパーとの距離が近いから、裏抜けでゴールを奪うのが難しいんだ。ちぐはぐだよね」
引き分けた10月11日のオーストラリア戦では、本田圭佑がワントップを務めた。
「あの試合で本田は全然ボールを収められていなかったね。なら、高さのあるハーフナー・マイク(ADOデン・ハーグ)や、ポストプレーがうまい大迫勇也(FCケルン)を起用したほうがいいと思うよ。このふたりはクラブで結果を残しているしね」
現在、ハリル監督には解任論がくすぶっている。そのことについて聞くと、釜本氏の舌鋒(ぜっぽう)はさらに鋭くなった。
「俺に権限があるなら、すぐ代えているね。そして新監督には日本人を起用する。ユース世代を率いた手倉森(誠)や関塚(隆)とか、選手と直接コミュニケーションを取れるような監督をね。今、ハリルと選手の間でコミュニケーションが取れていないように見える。チームがバラバラなのは、監督の指示が選手たちにキチンと伝わっていないからとしか考えられないんだ」
2010年に岡田武史氏が退任して以降、日本代表監督は外国人が占めてきた。釜本氏が言うように、久々に日本人監督を検討すべきなのかも。