大好きな“豪ちゃん”こと豪栄道のパネルとツーショットを撮る市川紗椰 大好きな“豪ちゃん”こと豪栄道のパネルとツーショットを撮る市川紗椰

『週刊プレイボーイ』本誌で連載中の「ライクの森」――。

報道情報番組『ユアタイム~あなたの時間~』(フジテレビ系)ではメインMCを務める人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴(つづ)るコラムだ。

今回は“相撲女子”でもある彼女が、大相撲秋場所で初優勝した大関・豪栄道への思いを語った!

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大相撲秋場所で、大関・豪栄道(ごうえいどう)が初優勝を果たしました! おめでとうございます!!

実は私は豪栄道の大ファンで、知り合いからも「おめでとうメール」をたくさんもらいました。こんなに祝福してもらったのは人生で初めてだったので、思わず「ありがとう!!」と、自分のことのように返信してしまいました(笑)。

豪栄道は、私が相撲にハマったきっかけをつくってくれた力士なんです。最初は単に“顔がタイプ”なので応援していたんですが、彼の取組を見ているうちに、相撲の奥深さに気づきました。

豪栄道は腕が短いので、相手のまわしを取りづらいんですが、その分、一度取れば短い腕をぎゅっと密着させて離しません。不利な体形が有利にも働くことを知ったことで、相撲観戦が一気に面白くなりました。

豪栄道の取組で好きな点は、その荒々しさです。まわしを取るまで下がって下がって、相手を自分の懐に呼び寄せ、土俵際で捨て身の投げを繰り出すようなパターンが多いんです。ただ、“前に出る”が基本の相撲の世界では、これは評価されません。実際、大関になって以後は4回もカド番を経験していて、常にギリギリの状態でした。

ファンのなかでの存在感も低かったようです。同じ大関の琴奨菊は「がぶり寄り」という自分の“型”を持っているし、稀勢の里は綱とりにも挑みました。そんななか、優勝争いにもほとんどからまなかった豪栄道は“ダメ大関”とまでいわれていました…。

ただ、私の見るところでは、豪栄道の弱点は“ケガが多すぎる”ということだったと思います。大関になった頃からケガが続き、思うように力を発揮できませんでした。ケガをしているのに、我慢してテーピングもせず、すごくきれいな体で土俵に入る豪栄道のことが私は好きだったんですけど、やっぱりケガは自己責任。ご本人も悔しい思いをしてきたと思います。

予定より早く帰国して両国国技館に(笑)

今場所も、最初に注目されていたのは稀勢の里でした。綱とりがかかっている上に、白鵬がケガで休場しているので、「今回こそは」とプレッシャーがあったと思います。そのせいか、初日から黒星…。

代わって注目されたのが、初日から稀勢の里、鶴竜、日馬富士など2横綱3大関を破った隠岐の海でした。6日目までの隠岐の海は“無双”状態だったんですが、7日目に彼に土をつけたのが豪栄道です。その後、あれよあれよという間に、なんと全勝優勝を決めました。

こうして場所中に主役が代わっていくのも、相撲の魅力ですね。実はちょうど今場所の中盤、私はお休みをもらって海外を旅行していたんですが、大好きな豪栄道の優勝がかかった一戦を見るために、予定より早く帰国して両国国技館に向かいました(笑)。優勝が決まった14日目の取組を見られて、ファンとしてはうれしいかぎりです。

来場所は白鵬も帰ってくるし、綱とりのプレッシャーがない稀勢の里も強いはず。琴奨菊も地元開催で気合いが入っているだろうし、高安も大関を目指します。まれに見る大混戦が予想されるので、豪栄道も綱とりのプレッシャーに負けず、生き生きした相撲を見せてほしいです。

●市川紗椰(いちかわ・さや) 1987年2月14日生まれ。アメリカと日本のハーフ。モデルとして活動するほか、報道情報番組『ユアタイム~あなたの時間~』(フジテレビ系)ではメインMCを務める。「豪栄道を地元・大阪で見たい」という思いから、初の地方遠征も経験し、相撲にどっぷりつかる