今季、最下位に終わったオリックス・バファローズで派手な粛清が始まった。戦力外通告11人に加え、7人いた外国人選手も、ディクソンとモレル以外の5人は解雇が既定路線だという。
「一昨年オフに、30億円を使った補強で中島、ブランコらを獲得したものの、今季はほとんど戦力にならず、オープン戦、交流戦、シーズンとすべて最下位。おまけに二軍も最下位でした(苦笑)。さすがの宮内オーナーも“地に落ちた”と怒り心頭の状態です」(スポーツ紙デスク)
その責任を取る形で、外部から招聘(しょうへい)したフロント幹部2名が閑職に追いやられるなか、見落としてはならないのがチームOBである長谷川滋利(しげとし)氏のSA(シニアアドバイザー)就任だ。
長谷川氏といえば、1995年の優勝経験者であり、メジャーでも活躍。引退後はアメリカに残り、不動産関係などのコンサルタント会社を経営。日本でもスポーツ紙でメジャー絡みのコラムを書いてはいるが、いわば“日本球界復帰”は20年ぶりのこととなる。
「彼はアメリカ暮らしなので主に外国人獲得などのアドバイスをするといわれていますが、どうもそれだけではなさそうなんです」(メジャーリーグ関係者)
一体、どういうこと?
「今回の“球団復帰”は、長谷川氏サイドからの売り込みだったといいます。彼はメジャー球団のフロントに食い込んでいて、球団ビジネスに関心が高い。そんな野心家がいまさらSA程度の仕事で満足するはずがない。ゆくゆくはオリックスのGMくらいの要職を目指していると考えるのが自然です」
ただ、それはオリックスとしても悪い話ではないとも。
「オリックスからすれば、近い将来、是が非でも実現させたい『イチロー復帰』への布石にもなる、との思惑もあるはずです。長谷川氏とイチローは、優勝した95年はもちろん、マリナーズでもチームメイトとして関わりが深い。飛び切り仲がいいとは聞かないが、気難しいイチローをうまくリードする賢さが長谷川にはある。そのあたりは宮内オーナーもよくわかってますからね」(前出・デスク)
マーリンズとの来季の契約を早々と勝ち取ったイチローだが、18年以降の契約についてはまったくの未知数だ。
「メジャーで現役引退後、即、日本で監督就任というウルトラCもないとは言い切れません。イチロー監督、田口ヘッドを長谷川氏がフロントとしてバックアップする…できすぎのメンバーといえるでしょう」
徐々に“イチローシフト”を敷き始めたオリックス。シーズンはともかく、オフのオリックスはがぜん、注目だ。