東京ドームで開催される強化試合。NPBサイドの理想は小久保でWBC優勝→東京五輪直前に原監督にバトンパスだというが…

11月10日から、侍ジャパンのWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に向けた強化試合が東京ドームで開催される。

WBC強化試合は一般的にオフのイベントとしか見られていないが、今回はメキシコ、オランダ両国代表ともにメジャー選手が合流。来年3月の本番さながらに熱が入っているのだ。対する侍ジャパンだが、選手以上に不安材料ともっぱらの評判なのが小久保裕紀監督の采配。

「昨年オフのプレミア12では韓国に敗れて3位に終わりましたが、お粗末すぎる継投ミスにファンからは大バッシングの嵐。『小久保を解任しろ!』との大合唱はいまだに尾を引いています」(スポーツ紙デスク)

NPB(日本野球機構)関係者が言う。

「そもそも小久保監督は、侍ジャパンの常設化というプロジェクトのなかで、2013年秋に就任しました。当時は『現職監督では負担も大きいから、代表専任監督を置くべき』という声の高まりを受けて候補を探したものの、WBCまで4年間も代表監督の看板を掲げられる人材は見つからず。そこでコーチ、監督経験はないが、選手会の会長も務め、選手にも人望があった小久保氏に白羽の矢が立ったんです」

ここには侍ジャパン特別顧問の王貞治ソフトバンク会長の意向も働いたといわれる。前出のデスクが続ける。

「つまり、NPBとしては監督経験がなくとも、この4年間、小久保監督に“修業”してもらえればいいと考えていたんです。ところがプレミア12での采配ミス、敗退で評価はガタ落ち。『プレミア12は初開催で認知度も低いから、優勝できなくてもダメージは少ない』というNPBの読みは甘すぎたといえるでしょう」

そんな小久保監督の在任期間は来年3月まで。WBCまで監督は務めるが、その後はまったくの白紙だ。在京のTV局関係者によれば、「NPB内でもWBCで優勝しない限り、その後はないというのが暗黙の了解」だという。TV局関係者が続ける。

「現状、東京五輪の代表監督の大本命は原辰徳氏。ただ、五輪の前年には第2回のプレミア12が予定されており、ここでもし原監督で負けるようだとまた傷がつく。だからNPBとしては、次のプレミア12まで小久保に頑張ってもらい、五輪で原監督にバトンパスするのが理想。でも、小久保がWBCで惨敗するようだと、原の前に“つなぎ”の監督を立てなければならないので頭が痛いところです」

いずれにせよ、強化試合で最も強化を必要とされているのは小久保監督らしい。