ストーブリーグ開幕を告げる大型トレードだ。2日、巨人の大田泰示(たいし)外野手(26歳)、公文(くもん)克彦投手(24歳)と日本ハムの吉川光夫投手(28歳)、石川慎吾外野手(23歳)の2対2の交換トレードが発表された。
巨人の大田は、原辰徳前監督の母校でもある東海大相模高から2008年、ドラフト1位で入団。「将来の大砲候補」と期待されるも8年間で本塁打はわずか9本と伸び悩み、近年はほぼ“二軍の肥やし”状態に。とはいえ、恩師が退任して1年でトレードとはちょっと露骨な気もするが、球団関係者からは「実はほかならぬ原監督自身が、大田の芽を摘んでいたともいえるんです」との声も。
「原監督は大田を“世界に通用するスラッガーに育てたい”と下半身主導で遠くに飛ばす長距離打者のフォームで徹底指導。でも、実は大田は手でタイミングを取るほうが結果が出るタイプのバッターなんです。それで結果を出して一軍に上がっても、すぐに原監督のダメ出しで二軍落ち。そんな繰り返しのなかで、本人も悩み、自分のフォームがわからなくなってしまった」
球団は親心から、原監督在任中から水面下でのトレードを画策していたという。
「3年ほど前にはDeNAの筒香(つつごう)と、去年は広島の堂林とのトレード話も進みましたが、原前監督のNGで流れました」(スポーツ紙デスク)
一方の日本ハムは12年パ・リーグMVP投手の吉川を放出。一見、不釣り合いなトレードにも見えるのだが…。
「ボールの力に陰りが見え始め、年俸も9500万円と高い吉川に見切りをつけたあたりは実に“ハムらしい”。一方の大田は年俸2100万円。今回のトレードはハムにとって約7500万が浮く“商売”でした」
ともあれ、この移籍で出番が増えそうな大田。
「栗山監督は原さんほど頑固ではなく選手育成がうまい。案外、化けるかもしれない」
新天地での活躍に期待だ。