メキシコ、オランダ相手の強化試合はまさかの大接戦の連続で来春のWBC本大会に向けて暗雲が垂れ込めてきた侍ジャパン。頼みのメジャー組も、現時点ではやや難航気味…。果たして、JAPANのユニフォームに袖を通すのは誰だ?
「こうなると、メジャー組の参加いかんによって侍ジャパンの命運が決まる。そんな感じになってきましたね」
そう言ってため息をついたのは、あるNPB関係者だ。
11月10日からメキシコとオランダを相手に行なわれた侍ジャパンの強化試合。来春のWBC本大会を前に、選手の最終選考にも影響する大事な4連戦は、結果こそ3勝1敗だったが、内容的には1勝3敗でも不思議でないもの。
大谷の加入が刺激となった打線こそ好調だったが、投手陣は4試合で計29失点とフルボッコ状態。
「日本の強みは投手のレベルの高さ。この投手陣を中心とした守りの野球で勝っていきたい」と胸を張っていた小久保監督は赤っ恥だ。
確かにボールはNPBの使用球より滑りやすいといわれるWBCの公認球で、マウンドもアメリカでの対戦を想定した、普段よりも硬いメジャー仕様。そんな不慣れさがあったとはいえ、1試合平均約7失点はお粗末すぎだ。
こうなると、冒頭のNPB関係者が言うように、今後、メジャー組がどれだけ参加するかに侍ジャパンの命運は託されたと言っても過言ではない。
ところが、そのメジャー組の招集も簡単にはいかなそうなのだ。スポーツ紙デスクが言う。
「現状、招集予定のメジャー選手はドジャースの前田健太、ヤンキースの田中将大、元レッドソックスの上原浩治、そしてオフにアストロズと契約した青木宣親の4名です。小久保監督は前田と田中を先発の柱、上原を抑え、そして青木を野手陣の牽引役と期待しているのですが…現時点で参加が濃厚なのは青木ひとりという状況です」
この4名は、NPBがあくまで“招集することを決めた選手”にすぎず、参加、不参加は各選手の返答次第なのだ。
NPBサイドが期待を寄せている特別ルール
そこでNPBサイドは、メジャー組の「決勝ラウンドのみのスポット参戦」という特別ルールの策定に期待を寄せているという。
「準決勝、決勝は3月20日からの3日間。この3日間限定での参加を認める特別ルールの検討がMLBで進められています。これがもし実現すればMLBも選手を送り出すリスクがかなり減るので、思わぬ大物選手の出場もあるかもしれません」(テレビ局関係者)
ちなみに、決勝ラウンドは米ロサンゼルスのドジャースタジアムで行なわれるため、この特別ルールができれば、マエケンの“地元”での登板があるかも。
とはいえ、現時点ではそれも希望的観測に過ぎないが…。
発売中の『週刊プレイボーイ』49号では、侍ジャパンのメジャー組招集にまつわる全真相を取材。なぜ、イチローやダルビッシュの名前は挙がっていないのか? その理由についても、本誌を是非ご覧いただきたい。
(取材/本誌ニュース班)
■週刊プレイボーイ49号「WBC侍ジャパンメジャー組招集にまつわる全真相」より