この2年、登板はわずか1イニングの松坂。新天地で初心に返れるか…

かつての甲子園優勝投手で、現在は背番号「18」を背負うふたりの“エース”が崖っぷちだ。

日本ハムの斎藤佑樹とソフトバンクの松坂大輔。文字どおり背水のオフを迎えたふたりの「18」は果たして来季、復活することができるのか!?

前回記事の斎藤は周辺の評判も下降の一途、栗山監督の最後通牒ともいえる発言が意味深だが、再生を期す、こちら元・球界のエースは…。

■プエルトリコ行きも松坂には厳しい目

一方、斎藤以上に野球人生の岐路に直面しているのが、日本球界に復帰してはや2年になる松坂大輔(36歳)。

昨夏、右肩を手術したこともあって、今年10月2日の登板(対楽天戦)が、実に3648日ぶりの日本での一軍マウンドとなった。だが、この日は1イニング、打者10人に対して3安打4四死球、5失点と、見るも無残な大炎上。

この日のピッチングを見たパ・リーグ某球団のスカウトがこう声を潜める。

「太りすぎでしょう。あの丸々とした体形ではどうしたって体が横振りとなり、ヒジが下がった状態で投げるしかない。『フォームを直せ』と言う人もいますが、直したくてもあの体形では直せないんです。むしろ、あんな苦し紛れのフォームで140キロ台を出せるんだから大したものですよ。

とはいえ、ボールを離す位置がバラバラなので制球が定まらないのも当然です。まずは痩せて、正しいフォームに直すのが先決でしょう」

来季は松坂にとって、3年契約の最終年。年俸4億円の選手がここ2年で登板わずか1イニングとあっては、崖っぷちもいいところだろう。スポーツ紙のソフトバンク担当記者が言う。

「今やチームからは完全に孤立している…というか、ほとんど二軍にいるので、一軍の選手たちの多くはチームメイトとすら思ってないはずです。佐藤義則投手コーチは、キャンプでフォーム改造を提案したものの、松坂に拒否されて以来、完全にそっぽを向いているし、野球理論にうるさい工藤公康監督も松坂の小手先のフォームでの投球はナンセンスと完全に見放しています。

いくら孫正義オーナーの肝煎(きもい)りで入団したといっても、来季復活できないようだと、先はない。そのあたりは本人も覚悟の上でしょう」

そんな松坂が今オフ、復活の足がかりとしてぶち上げたのがプエルトリコのウインターリーグ参戦だ。カリブ海に浮かぶ島で毎年11月に開幕するウインターリーグは、マイナーの2A~3Aレベルの実力を誇る。松坂は11月30日、同リーグの「ヒガンテス・デ・カロリナ」に合流。約1ヵ月間、実戦登板を重ねて来季に備えるという。

ただ、この「背水のプエルトリコ入り」にも周囲のまなざしは厳しい。前出の担当記者が言う。

「“なんとかしよう”という気持ちは多少なりともあるんでしょう。ただ、実際は現地での起用方針も未知数で、わずか1ヵ月間の合流では登板機会がどれほどあるかわからないのが実情。それに、そもそも松坂はまだウインターリーグで通用するレベルにまで復調していない。記者の間では『遠くに出かけなくても、日本で走り込んで体重を落としたほうがよっぽど効果があるのに』との声がしきりです」

身内の反応もホロ苦い。別の担当記者がこう明かす。

「日本にいて、われわれマスコミの目に晒(さら)されたくないというのが(プエルトリコ行きの)真相でしょう。いくら30代になって代謝が落ちているとはいえ、この2年間でまともに減量できていないんですから、する気がないと見られても仕方がない。残念ですが、来季、松坂が復活できると考えている関係者は、現時点ではほとんどいないと思いますね」

来季に向け、不安材料が尽きないふたりの18番。そんな彼らに世間の目は冷たく、特にネット空間ではアンチの罵詈(ばり)雑言があふれ、今や球界の「2大炎上エース」と化しているのだとか。

「ファンにすれば、松坂は高年俸なのに、太るだけでまったく働かないロートル。斎藤は出版社社長へのポルシェのおねだりが発覚するなど、いまだにヒーロー気取りのカン違い王子。だから、人一倍バッシングされますが、それは期待の裏返しでもある。

来季はもう後がないという覚悟や、野球へのひたむきさ、悪あがきを見せてほしいですね」(スポーツ紙デスク)

週プレもふたりの復活を祈りたい!

(取材/本誌ニュース班)