「平成維震軍」の越中詩郎(左)とザ・グレート・カブキ(右)。新日本プロレス選手会に歯向かったアウトロー集団。2月8日(水)に東京・後楽園ホールで開催される「プロレスマスターズ」に越中、カブキら平成維震軍が参戦予定

政府は2019年1月1日から新元号とする方針で検討に入ったという。 もしそうなると、「平成時代」はあと約2年。にわかに懐かしく思えてくる。

そこで、平成の記憶を後世に伝えるため、週プレがひと足早く、独自に「平成遺産」を認定してみた。

■「平成遺産」第1号は「平成維震軍」

早速だが、その第1号となるべきは、やはり「平成維震軍」だろう。

1993年、新日本プロレスの選手会と対立した越中詩郎は、ザ・グレート・カブキ木村健悟齋藤彰俊らとともに平成維震軍を旗揚げ。反骨精神あふれるこの硬派な集団は、すぐにプロレスファンを虜(とりこ)にした。越中詩郎が語る。

「『会社や選手会のやり方が間違っている』と思う男たちが集まった集団だった。それをアピールするためにリングに上がっていた。毎回必死で、今回ダメだったら次はないと思っていた。だから、いつでも『やってやる!』って気持ちだった」

ザ・グレート・カブキが続ける。

「平成維震軍は、最高のプロレス職人の集団だったよ。それまではスター選手を持ち上げる役回りのヤツらが多かったけど、実は脇役がうまくないとスター選手が光らないんだ。それをずっとやってきた選手。だから技術がすごく高い。それに、みんな『俺が、俺が』っていうタイプじゃないから、チームワークもよかった。すると新しいことにもチャレンジできるから、ファンも喜んでくれたんだね。平成維震軍の魅力は技術とチームワークと男気だよ」

平成は、渋くて熱い男たちが輝いた時代だったのだ。

●さらに続く本誌認定「平成遺産」のラインナップは? 詳しくは発売中の『週刊プレイボーイ』6号「これが後世に伝えたい平成遺産だ!!」でお読みください。

(取材・文/村上隆保 撮影/村上庄吾[カブキ])