唯一のメジャーリーガーにして、チーム最年長の青木。どのように代表を引っ張るかに注目だ。 ※写真はイメージです

3月に行なわれるWBCの日本代表メンバー28人がほぼ出そろった。注目されたメジャー組の招集は結局、青木宣親(アストロズ)ただひとりという、やや寂しいメンバー構成に。

「田中将大(ヤンキース)、前田健太(ドジャース)はともかく、当初は出場に前向きだった上原浩治(カブス)までもが辞退したのは小久保裕紀監督にとって大きな誤算だったと思います。以前から『メジャー組をどれだけ招集できるかがカギになる』と語っていた小久保監督ですが、投手はまさかのメジャー組ゼロ。最低でも『先発とリリーフにひとりずつメジャー組を』と考えていた首脳陣にとっては頭の痛いスタートです」(スポーツ紙デスク)

出だしから暗雲が立ち込めた感もある日本代表だが、唯一の侍メジャーである青木にかかる期待は大きい。WBCではイチローの陰に隠れてこれといった活躍の印象こそないが、2006年の第1回、09年の第2回大会に参加。今回が3回目の出場となり、本人も並々ならぬ意気込みなのだという。

「青木は今回、正式に参加表明したとき、『それぞれ事情は違うけれど、ほかの(メジャー組)選手も出場してくれることを願っている』と語っています。彼はメジャーでプレーしてても、いつも日本のことを気にかけていました。自身は今年35歳で、アストロズに移籍したばかり。にもかかわらず参加を決めた一番の理由は『今の顔ぶれではまとめ役が見あたらず、大会が始まったら必ず苦しむ』と不安を抱いたからだといいます」(ヤクルト時代から青木をよく知る球界関係者)

さらにこの関係者が続ける。

「あのイチローでさえ苦しんだWBC。シーズン前の3月という日程や、相手も球場も変わる国際大会だけに若い選手に戸惑いは絶対に襲ってくる。そんなとき、メジャーを5年経験している自分が役に立つと考えているんです。(若い選手たちに)やりやすい環境をつくり、プレッシャーを取り除く存在にとジャパン入りを決意したのでしょう」

今回、侍ジャパンの外野陣は青木のほか、鈴木誠也(広島カープ)、筒香嘉智(DeNA)、秋山翔吾(西武)らが選出されたが、驚くべきは青木が本番でもスタメン出場に固執していないということだ。

「むしろ彼はベンチ要員でも構わないと思っているようです。チームリーダーではなく、あくまで若手のもり立て役として代表入りしたこの青木の決意は、侍ジャパンにとって大きな力になるのでは」

果たして、ベテラン青木の加入は代表にどのような化学変化をもたらすのだろうか。