日本全国から「一番野球がうまいヤツら」が集うプロ野球の世界。
そこで怪物と呼ばれる選手たちは、まるでF1マシンのような超高出力の肉体を操るが、その爆発力ゆえ故障のリスクとも常に隣り合わせだ。
今年の春季キャンプでは、4人の怪物たちが“メンテナンス”の真っただ中。『週刊プレイボーイ』9号(2月13日発売)で、その裏側を追った!
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ソフトバンクのキャンプ6日目。“元祖・平成の怪物”松坂大輔は、計239球もの投げ込みを敢行した。
レッドソックス時代の2011年に右肘を手術し、日本復帰後の15年に今度は右肩を手術。昨季終盤の楽天戦で一軍登板を果たすも、1回5失点と大炎上し、ネットでもボコボコに叩かれた。
ところがこのキャンプでは、まるで別人のような張り切りぶりを披露しているのだ。
「初日にいきなり59球を投げ、ボールの質の良さに驚かされました。制球はまだ今ひとつでしたが、伸びがあってキレもいい。昨年までとは雲泥の差です。
3日目には早くも打撃投手を買って出て、最初の3日間で計161球。そして6日目には239球。表情は落ち着いていますが、何かに取り憑(つ)かれたように投げ込んでいる。よっぽどコンディションがいいんですね」(スポーツ紙ソフトバンク担当記者)
思い起こせば、キャンプでの投げ込みは西武時代の松坂の代名詞だった。今年、それが久々にできているのは、昨オフにプエルトリコのウインターリーグに参加し、休みなしで動き続けたことが功を奏しているようだ。
ただ、実はそれ以上にわかりやすい「目に見える変化」がある。
「自主トレ終盤の1月下旬、報道陣の前に姿を現した時、誰からともなく『あれ、痩せた?』という声が上がりました。実際、キャンプになってみても、ユニフォームはだぶだぶ。どうやら10kg近く落としてきたようです」(ソフトバンク担当記者)
復活理由が今さら「減量」ってマジ?
今キャンプで松坂の投球練習を見たパ・リーグ某球団スカウトはこう語る。
「体を絞ったおかげで、投手として本来の体の使い方ができるようになった。体重移動がスムーズになり、リリースの際に『ピッ』と音が聞こえてきそうなほど球離れもよくなっています。キャンプ5日目には指にマメができて投球練習を回避しましたが、あれはちゃんと指にかかったいいボールを投げているからこそ。好調の証(あかし)ですよ」
しかし、だ。もう36歳になるベテランの復活理由が、シロウトのファンですら以前から指摘していた「減量」だったとしたら、なんだかちょっと寂しいような…。
「確かに、じゃあ今まで何やってたんだってツッコみたくもなりますよね(苦笑)。まあ、本人も以前『水を飲んでも太る体質』と認めていたくらいですから、30代になって代謝が衰え、思うように減量できなかったこともあるでしょう。とはいえ、3年契約の最終年になってようやく減量ですからねえ…(苦笑)」
松坂は昨年から担当記者たちと距離を置いており、減量の理由や方法はまだ誰も聞き出せていないというが…。とにかく、故障も体重も「リバウンド」だけは禁物!
★松坂以外の“怪物”、日本ハム・大谷、阪神・糸井、巨人・山口俊…復活に一番近いのは? 『週刊プレイボーイ』9号(2月13日発売)「プロ野球キャンプ裏ネタワイド 故障中の怪物たち」にてお読みいただけます。