
コートを去る最後の瞬間は笑顔だった。
5日、V・プレミアリーグ・プレーオフ2次リーグで、木村沙織が所属する東レがNECに敗れ敗退。昨年10月、自身のブログで今季限りでの引退を表明していたサオリンの23年間にわたる現役生活に終止符が打たれた瞬間だった。
試合終了後、チームメイトやスタッフが涙ぐむなか、「意地でも泣かないぞと決めていたので」と、彼女だけは笑い続けた。
今月25日に行なわれるオールスターゲームに出場する可能性はあるが、真剣勝負の場に立つのは最後とあって、会場には多くの報道陣が詰めかけた。だが、会見になかなか姿を見せないサオリン。
すると主催者から「(会見では)引退に関する質問は控えてほしい」との通達が。
にわかに「現役続行!?」「待望のビーチ転向!?」と会見場がざわつくも、所属事務所は「引退はすでに決めています。ただ、試合直後で気持ちの整理ができていなかったため、本人の希望でコメントを避けさせていただきました」と、その趣旨を説明。
多くのファンの記憶に彼女が残したロンドン五輪での銅メダル、計4度の五輪出場の記録が刻まれる。その笑顔と共に。
(撮影/ヤナガワゴーッ!)