ほかのチームなら即レギュラーの川﨑だが、そこは選手層の厚いホークスとあって、2軍でじっくり調整中

「フラれた恋人ほど愛(いと)おしいといったら古い演歌の歌詞みたいですが(苦笑)、まさに彼はそんな存在です」

そう嘆いて苦笑するのは、巨人の某球団関係者。“彼”とは米球界から6年ぶりにソフトバンクへ復帰した“ムネリン”こと川﨑宗則のことだ。

スポーツ紙デスクが解説する。

「メジャーとマイナーを行き来する“1軍半”な立場だった川﨑に目をつけ、巨人は一昨年から水面下で川﨑にラブコールを送っていたんです。ここ数年、巨人の最大の補強ポイントはセカンド。川﨑は喉から手が出るほど欲しい選手でした」

だが川﨑のメジャーへのこだわりは強く、断念した経緯があったというのだ。

「特に昨季は“シーズン中でも日本に戻るならぜひ”とアプローチしていたようですが、川﨑にその気はなく断念。そこでドラフト1位で吉川尚輝を、新外国人もマギーを獲り、なんとか穴を埋めようとしたんです」(スポーツ紙デスク)

ところが川﨑はメジャーの開幕直前にカブスから解雇され、古巣であるソフトバンクに電撃復帰。巨人の編成担当が悔しがったのは想像に難くない。

「昨季の巨人は、新任の高橋由伸監督がやれ“暗い”とか“チームに活気がない”“新鮮味がない”と指摘されました。戦力面ではFAで陽、森福、山口俊の3選手を獲得したわけですが、実は川﨑こそ、戦力としてもチームを明るくする存在としても、最も欲しい選手だったんです」(スポーツ紙デスク)

ちなみに巨人の「セカンド問題」は今季もそう簡単には解決しそうにない。

「大卒のドラ1として期待された吉川ですが、キャンプ時には“まだ1軍では力不足”と早々に失格。結局、10年目の中井が開幕スタメンを勝ち取りましたが、現時点ではレギュラー安泰といえる活躍は見せていません」(テレビ局関係者)

一方、ソフトバンクの選手層の厚さは今年も相変わらずで、本稿締め切り時点で、川﨑はまだ2軍でスロー調整中。

「ソフトバンクの内野陣は若手がそろい、工藤監督も彼らを優先して使う考えですから、メジャー帰りの川﨑とて、出場のチャンスを得るのは容易ではありません。現状、出番があるとすれば、内野のレギュラーがケガか、極度の不振に陥ったときくらいでしょう」(前出・スポーツ紙デスク)

巨人とすれば戦力的にも営業的にも愛おしい“元恋人”が、1軍でバリバリ活躍しているならまだしも、2軍でくすぶっている状況には心中、穏やかでないはずだ。