海外嫌いで有名だった久保氏「イングランドは最悪でした」

W杯最終予選を戦うA代表、U-20W杯が間近に迫ったU-20代表、そしてJリーグと、日本サッカーの各カテゴリーで“久保”が存在感を発揮している。

いずれもFWである各選手への期待を、これまた元日本代表の名ストライカー、久保竜彦さん(40歳)に聞いた。

現役時代はいつも「ん~、あんまわかんないっす」といった調子で極端に口数が少なく、インタビュアー泣かせで有名だった“ドラゴン”が前編記事に続き、たくさん喋ってくれたぞ!(笑) 

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―3月の2連勝でW杯出場に向けて大きく前進しましたが、日本の今予選での戦いぶりをどう見ていますか?

久保 まあ、最後まで厳しいっしょ。調子は上向いてきた気はしますけど、まだまだじゃないですか。中東でやる場合は、ヨーロッパでやってる選手は時差も少ないので、UAE戦はそれがよかったんじゃないですか。今はヨーロッパでやってる選手が多いですもんね。

―久保さんもW杯予選のアウェーで戦った経験がありますが。

久保 …やっぱり面倒くさいっすよね。飛行機に乗ってる時間が長くてイライラするし。パッと行って、パッと試合して帰ってくるならいいけど(笑)。

―そういえば、海外嫌いも有名でしたね。

久保 メシがマズいじゃないですか。昔は代表に専属シェフもいなかったですし、本当にヤバかったですよ(笑)。

―特にイヤだった思い出などはありますか?

久保 イングランドは最悪でした。俺は醤油がないとダメなんですけど、パスタのソースがマズすぎて、日本から持っていった醤油をかけて食べてましたから。あとはレバノン。00年のアジア杯で1ヵ月近くも滞在したんですけど、ホテルのメシはマズいし、外は戦車が走ってるし。海外は頑張っても1週間、それより長くなるとやる気がなくなります(笑)。

―Jリーグでは新天地に移籍した大久保嘉人選手も話題です。代表で一緒にプレーしたことがありますよね?

久保 最近はあまり見とらんかったけど、一緒にやったFWで一番スゴいと思ったのが嘉人でした。猫っていうか、チーターっていうか、体の使い方がうまい。普段は(上下関係が厳しい)国見高出身だけに礼儀正しいんですけど、試合になると闘争心むき出しで、目が違いますから(笑)。

―一昨季まで3年連続で得点王に輝き、現在はJ1通算最多得点記録を更新中です。

久保 嘉人ももう34歳ですか。30歳過ぎても、なんかつかめたんでしょうね…。

―今日はたくさんお話しいただいてありがとうございました。“ドラゴン”健在ですね!(笑) 今後も“久保”選手たちの活躍が続くことを期待したいです。

久保 生きてるうちに一度はマラドーナのプレーを見たいと思いつつ実現しませんでしたけど、久保建英君はぜひ生で見てみたいですね。

―週プレ誌上で対談とかどうですか?

久保 無理っすよ。緊張して何も喋れれない(笑)。

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(取材・文/栗原正夫)

●久保竜彦(くぼ・たつひこ)1976年生まれ、福岡県出身。“ドラゴン”の愛称でおなじみの元サッカー日本代表FW。広島、横浜F・マ、横浜FCなどで活躍。2015年に現役を引退し、現在は広島県内でサッカー教室やメディア活動を行なっている。国際Aマッチ出場32試合11得点