飛び級でメンバー入りした15歳の久保建英 飛び級でメンバー入りした15歳の久保建英

いよいよ5月20日から、サッカーU-20ワールドカップが韓国で開幕する。

かつてワールドユース選手権と呼ばれていたこの大会は、主に18~20歳の若手選手による世界大会で、過去にはディエゴ・マラドーナから今を時めくリオネル・メッシ(ともにアルゼンチン代表)まで、数々のワールドクラスの選手がプレー。とりわけ好成績を残したチームはその国の「黄金世代」と呼ばれ、後のA代表チームの中心となって世界を席巻する。

日本も1999年ナイジェリア大会で準優勝を経験。当時のメンバーには小野伸二、稲本潤一(ともにコンサドーレ札幌)、高原直泰(沖縄SV)といった後の日本代表の中心となった「黄金世代」たちが活躍。その他にも遠藤保仁(ガンバ大阪)や小笠原満男(鹿島アントラーズ)が出場していた。

その舞台に久しぶりに登場するのが今回のU-20日本代表で、2007年大会以来、実に5大会ぶりの出場となる。しかも、日本サッカー史上初めてアジアU-19選手権で優勝を果たしたチームということで、当然ながら周囲の期待は大きい。

すでに、15歳ながら飛び級でメンバー入りを果たした久保建英(FC東京U-18)が脚光を浴びているが、その他にも将来の日本代表を背負って立つであろうダイヤの原石がいる。

中でも、ガンバ大阪の堂安 律(どうあん・りつ)はアジアU-19選手権優勝に大きく貢献し、同大会MVPに選出された期待の攻撃的ミッドフィルダー。ドリブル、パス、シュートと、どれも高いレベルでプレーできるスキルの高さはすでにJ1でも実証済みで、左利きながら左右中央と複数ポジションをこなせるユーティリティー性も兼ね備えている。

ガンバを率いる長谷川健太監督も重要戦力として信頼し、今シーズンは公式戦8試合に出場し3ゴールをマーク。最近はスタメン出場が続くなど18歳とは思えない堂々としたプレーを見せている。

トップデビューを飾ったのは高校2年時で、3年時にはプロ契約を結んだことからも日本サッカー界のエリート中のエリートであることに疑いの余地はない。チームの中心として挑む今大会でどんなプレーを見せてくれるのか楽しみな逸材だ。

一方、守備の要として活躍が期待されるのが、柏レイソルの中山雄太だ。

現在20歳の中山も16歳でトップ登録され、これまで各年代別代表に選ばれ続けているエリート選手。昨シーズン途中に下平隆宏監督がレイソルを率いるようになってからレギュラーに定着し、今シーズンも21歳の中谷進之介と不動のセンターバックコンビを組み、開幕からスタメン出場を続けている。

基本的にはレフティだが、右足のキックの精度も高く、最終ラインからのビルドアップも得意。また、センターバック以外にボランチやサイドバックでもプレーできるという点も監督にとっては魅力だ。

今大会では同年代のアフリカや南米のフォワードと対峙することになるが、1対1の駆け引きを含め、中山が国際舞台でどこまで通用するのか。本人にとっても見る側にとっても興味深い注目ポイントになる。

攻撃陣で最も大きな期待を寄せられているのは?

そして、攻撃陣で最も大きな期待を寄せられている小川航基(ジュビロ磐田)のパフォーマンスも見逃せない。

堂安や中山がJクラブの下部組織で育った選手であるのと違い、小川は高校サッカー界のスター街道を歩んできた選手だ。2015年(~16年)の第94回全国高等学校サッカー選手権では桐光学園のエースとして、また大会屈指のストライカーとして脚光を浴び、チームは3回戦で敗退しながらも4ゴールを挙げて実力を証明。卒業後、2016年にジュビロ入団を果たした。

プロ1年目は壁にぶつかり出場機会はわずかに終わったが、2年目の今シーズンはJ1リーグで途中出場5試合。ルヴァンカップでは5試合でスタメン出場を果たし、得点ランキングトップの4ゴールをマークするなど頭角を現し始めている。

ゴール前のポジショニングに優れ、いわゆる“点”で合わせるシュートを得意とするストライカーで、U-20ワールドカップ前の調整試合でもその特長を生かしたゴールを決めている。このまま大会に向けて調子を上げてくれれば、日本代表の得点源として躍動してくれるはずだ。

この3人の他にも、川崎フロンターレのMF三好康児(みよし・こうじ)や京都サンガのFW岩崎悠人(いわさき・ゆうと)など将来の日本代表を担う期待の選手が揃う今回のU-20日本代表がはたして世界大会でどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。

予選のグループD突破をかけて5月21日(現地17時キックオフ)の南アフリカ戦を皮切りに、24日(現地20時キックオフ)のウルグアイ戦、27日(現地20時キックオフ)のイタリア戦と計3試合を戦う。そしてグループ2位以上、もしくはAからFまでのグループ3位の中で成績上位4チームの中に食い込むことができれば、16チームによる決勝トーナメントに進出する。

今大会で躍進し「新たな黄金世代」となるのか、まずは初戦に注目したい。

(取材・文/中山 淳 撮影/藤田真郷)