5月30日から3週間にわたり行なわれるセ・パ交流戦。
それまで絶好調だったチームが泥沼の大連敗を喫したり、逆に不振だったチームや選手が大復活を遂げたり…と、毎年のように“革命”が起きるシャッフルイベントだ。
今年の見どころを、記者がガチンコで占う!
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交流戦は両リーグの優勝争いのカギとなるのみならず、不調のチームにとっても分岐点だ。ここで逆襲なるか、それともズルズルと負け続け、Aクラス入りの望みも絶たれてしまうのか?
現在、両リーグの最下位はパがロッテ、セが中日。特に絶望的なのが、すでに20近い借金を抱えて勝率2割台に沈むロッテだろう(5月28日現在)。
「石川 歩、角中勝也と投打の軸が序盤から戦線離脱した上、外国人選手も総倒れ。特に打の新外国人がふたりとも外れだったのが響き、チーム打率はまさかの1割台です(この取材後、ようやく2割台に…)」(スポーツ紙デスク)
となれば、新たな大砲を緊急獲得…となるのが勝てるチームなのだが、今年のロッテはそっちもダメダメ。
「ロッテは開幕後、元阪神のゴメスを狙っていました。一発があり、日本野球を知る彼はシーズン途中の獲得には最適だというわけです。ところが、いざ本腰を入れてみると、いくら調査してもゴメスが『見つからない』というんです。そして5月に入ると、なんとゴメスが今年はどこにも所属せず、野球をやっていないことが判明…(苦笑)。
ゴメスがプレーしていないことは、実は他球団の外国人編成担当者には周知の事実だったといいます。それをロッテだけが必死になって探していたというんですから、調査能力不足と言われても仕方ありません」(デスク)
結局、代わりに獲得したのは独特の“走り打ち”で知られるWBCキューバ代表の1番打者・サントス。欲しかった大砲とは程遠い、俊足巧打タイプだ。これでは伊東 勤監督があまりに気の毒…。
「あまりの惨状に、現場の記者からは『もう休養させてあげたい』との声まで漏れてくるほどです…」(デスク)
中日首脳陣がようやく気づいたこととは…
一方、中日は逆に、投打とも外国人選手に頼りっぱなし。就任時に「若手を育てる」と宣言した森繁和監督も「使いたくても使えるレベルがいない」と嘆くばかりだ。
ただ、最近になって少しチーム状況は上向いてきた。
「今年の中日の問題点は、ヒットが出ても打線がつながらず、得点が少ないこと。実はこれ、ベンチの“勘違い”の問題でもあったんです。今年の中日は森脇浩司内野守備走塁コーチを招聘し、機動力野球を目指したのですが、オープン戦から盗塁死や目を覆うような牽制死が目立った。
要は、機動力野球を体現できる選手がいなかったんです(苦笑)。首脳陣がようやくそれに気づき、落ち着いて打たせるようになってから、打線もつながり始めました」(地元テレビ局担当記者)
身の程を知った竜の逆襲はあるか?
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(撮影/小池義弘)