夢の9秒台が出るかと期待された陸上日本選手権の男子100m決勝。
10秒05のタイムで優勝したのは、リオ五輪で活躍した桐生祥秀(きりゅう・よしひで)でも、ケンブリッジ飛鳥でもなく、18歳のサニブラウン・ハキームだった。
ダークホースの勝利をスポーツライターの折山淑美(としみ)氏は、こう解説する。
「サニブラウンはスタートが格段に向上。決勝は、条件がそろえば9秒台が出てもおかしくない走りでした。今秋から米の名門フロリダ大への進学も決定し、筋力もつくのはこれから。もはや上がり目しかない選手です」
2位も新星の多田(ただ)修平。ケンブリッジは3位、桐生は4位に終わった。これは、早くもリオ五輪組からの世代交代なのか?
「五輪出場選手は、翌年に精神的な疲労から記録を落としがちです。群雄割拠なのは間違いありませんが、東京五輪まではエース・桐生を筆頭に、ケンブリッジ、多田、サニブラウン、さらにリオに出場した山縣(やまがた)亮太、飯塚翔太の6選手の熾烈(しれつ)な戦いが続くでしょう」(折山氏)
なんと四つどもえどころか六つどもえの大混戦! 日本人スプリンターたちの最速をかけたレースが始まった!!
(写真/時事通信社)