プロ入りか進学かに揺れる怪物に 「第3の道」が急浮上? *写真はイメージです

連日、スポーツ紙をにぎわせている早稲田実業の清宮幸太郎。その卒業後の進路について、にわかに騒がしくなってきた。

アマ球界関係者からは「早大進学」との声が上がる一方、ここにきて「高卒即メジャー挑戦」の仰天情報も浮上してきた。その実現性とは…!

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かねて海外志向が強いともいわれてきた清宮。彼が「ゆくゆくはメジャーで世界一の打者に」との思いを抱いていても不思議はない。

一部では「高卒即渡米」を推す声もあるというが、これまでドラフト1位クラスの高校生が、卒業と同時に渡米したケースは過去、一度もない。

「彼がもし本気でメジャーのホームラン王を目指すというのなら、即、行くべきだと思いますよ、人生をかけて。もちろん、必ず成功するという保証はないですけどね」

と言うのは、かつて花巻東高校時代の菊池雄星(西武)や大谷翔平(日本ハム)を口説き、一時期、アメリカ行きを決断させた元ドジャースのスカウトで現ダイヤモンドバックス顧問の小島圭市氏だ。

小島氏がそう言う背景には高卒即メジャー挑戦を断念し、今年、日本でプロ5年目を迎えた大谷翔平に対するもどかしさがある。

「今の大谷は、僕の中では正直、全然物足りない。みんな、何をそんなに(大谷がスゴイと)騒いでいるんだろうという感じですよ。もし、彼が高卒後、アメリカで投手に専念していたら、今頃タイトル争いをしていたでしょう。

投手として見たら、日本に残ったことで、現時点で経験すべきことの半分以下のことしかできていない。もちろん、彼は後からアメリカに行っても遅くないと判断したんでしょうけど、すぐ行くのとは意味合いがまったく違うんですよ」

小島氏は、かつて大谷本人に海外挑戦を勧める理由をこう説いたという。

「彼には『君のような才能を持った選手は日本野球の歴史上、誰もいなかった。そんな君が成長するには、厳しいと感じる環境に身を置き、それを凌駕(りょうが)するしかないんだ』と話しました。アメリカに行けば、大谷クラスの選手はいっぱいいます。

そんななか、大谷本人も気づいていない才能を引き出してくれる環境は、アメリカにしかないと思った。鉄は熱いうちに打てじゃないけど、日本ですべてを手に入れてから行ったって、向こうの選手には勝てない。彼らは稼いでやろうという根性が違うんです」

『週刊プレイボーイ』32号(7月24日発売)「清宮 高卒即メジャー挑戦の可能性」では、清宮が高卒即渡米した場合のメジャーに上がれる可能性を小島氏が分析。一方で「高卒でアメリカに行くべきではない」と唱える現メジャースカウトの意見も紹介。さらに高卒即渡米⇒インディアンスの土田拓弥選手がMLBの現実を語る!

(取材・文/中村 計)