パチューカに所属していた福田健二氏

動向が注目されていた本田圭佑(31歳)が選んだ新天地はヨーロッパでもアメリカでもなく、北中米の強豪国メキシコだった。果たして、その決断は吉と出るか!?

本田の移籍するパチューカにかつて在籍し、現在は横浜FC(J2)の強化ダイレクターを務める福田健二(ふくだ・けんじ)氏に話を聞いた。

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ACミランとの契約が切れたサッカー日本代表の本田圭佑が新天地に選んだのは、メキシコのパチューカだった。

パチューカはメキシコの名門で、クラブW杯にも3度出場している。国内ではクラブ・アメリカ、チーバス、クルス・アスールといった強豪と常にタイトルを争い、所属選手の顔ぶれを見れば、メキシコ代表はもちろん、チリ、コロンビア、アルゼンチン、ウルグアイなど南米の代表クラスがズラリと並ぶ。

そんな輪郭は見えるのだが、クラブの“中身”はいまいちわからない。そこで、かつてパチューカに所属した日本人FWを直撃。2005年に在籍した福田健二氏(現・横浜FC強化ダイレクター)だ。

福田氏は04年にパラグアイ1部リーグの古豪グアラニで2桁得点を記録し、南米王者を決めるリベルタドーレス杯でもゴールを決め、パチューカから声がかかったという。南米の選手は高給を得られるヨーロッパでのプレーを目指すものだが、もうひとつの選択肢としてメキシコがある。有力クラブの主力選手は平均月収20万ドル(約2200万円)と待遇がよく、リーグの熱狂度も高いからだ。

本田はそのメキシコで活躍することができるのか?

「どれだけ早く(環境に)順応できるか、にかかっているかもしれません」

福田氏はそう指摘する。

「パチューカは高地(標高2400m)にある町なので、空気が薄いんです。練習初日は1、2回ダッシュするだけでキツくて、酸素が回らないというか、目がチカチカします。自分は1週間ほどたってからようやく慣れてきましたが、一緒に入団したカメルーン人選手は1週間で辞めていきました。順応できるかは大事ですね。初練習時には『時間をかけてゆっくり』と声をかけてくれましたが、実際は助っ人に厳しいです(笑)。

◆『週刊プレイボーイ』32号(7月23日発売)「電撃移籍 本田、メキシコで大復活のシナリオ!!」では、本田がメキシコで活躍できるかを福田氏が分析。そちらもお読みください。

(取材・文/小宮良之)

●福田健二(ふくだ・けんじ)1977年生まれ、愛媛県出身。Jリーグでは名古屋、FC東京、仙台、愛媛で活躍。海外ではパラグアイ、メキシコ、スペイン、ギリシャ、香港でプレーしたストライカー。2005年に在籍したパチューカではリーグ戦21試合出場12得点。昨年5月に現役を引退し、同7月に横浜FCの強化ダイレクターに就任