プロ野球の新規支配下登録期限は7月31日。多くの球団は戦力不足を補うべく、この日までに新外国人選手を獲得する。
今年は初来日9名、育成からの昇格2名、国内移籍2名、再来日1名と、計14選手が新たな契約を結んだ。※年俸は推定。データは7月26日現在
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今年の“途中入団外国人”を見渡してみると、打者の活躍が目立つ。例えば、金本監督が「しばらく4番に固定する」と明言した阪神・ロジャース。球界屈指の名打撃コーチとして知られる野球評論家の伊勢孝夫氏は、こう評価する。
「軸がぶれない。内角に攻めてくる球をレフトにさばけるし、外角球もしっかり打ち返せる。まだ他球団のバッテリーも様子見段階ではありますが、少なくとも日本で活躍できる技術的なポイントは現段階でクリアしているとみています」
ただ、問題は4番打者として今後、何を求められるかだと伊勢氏は指摘する。
「基本的にホームラン打者ではなく、しっかりボールを叩いて、ヒットの延長がホームランになるタイプ。もし周囲が一発ばかり求めるようだと、本人も欲が出てスイングを狂わす原因となる。そのあたりを金本監督がうまく導いていけるかですね」
また、6月のデビュー戦でホームランを放つも、ベースを踏み忘れる珍プレーを披露、以来、ホームベースを両足で踏むようになったオリックス・マレーロも評価が高い。パ・リーグ某球団スコアラーはこう語る。
「彼は“飛ばすテク”を持っていますね。元々、ドラフト1巡目でメジャー入りした素材。日本の投手の攻め方に慣れれば、もっとやりそうな感じです」
そう、大事なのは派手なデビューだけではなく、弱点を攻められ始めた後にどれだけ対応できるかなのだ。
◆『週刊プレイボーイ』33号(7月31日発売)「プロ野球『名鑑に載らなかった新外国人』名鑑」では、開幕時の選手名鑑には載っていない彼らの実力とキャラを一挙紹介! そちらもお読みください!
(写真/時事通信社)