伊東氏はかつて韓国球界でもコーチを務めるなど、評論仕事より現場にいたいタイプ

8月13日、成績不振を理由に今季限りでの辞任を表明したロッテ・伊東勤(つとむ)監督。だが、指導者としての評価は決して悪くない。スポーツ紙デスクが言う。

「ロッテは補強資金が乏しく、選手層の薄さは否めない。それでも就任から昨年までの4年間で3回もAクラス入りした伊東監督に、他球団からは『弱体チームをよく引っ張ってきた』と同情の声すら上がっています」

そんな実績を買ってか、まだシーズン中にもかかわらず、水面下では早くも“誘いの手”が伸びている……との噂が聞こえてきた。

「その球団は巨人。といっても監督ではなく、高橋由伸監督を支える参謀役候補という話です。というのも、巨人のバッテリー部門を長らく見てきた村田真一ヘッドコーチは『精神論が多い』『指導に一貫性がない』など批判が絶えない。最近では『あそこを代えないと巨人は強くならない』とまで言われる始末です。

そこで巨人内にも、来季3年目を迎える高橋政権のヘッドコーチ格として伊東氏を招聘(しょうへい)するプランが浮上。すでに球団関係者が電話で接触したらしい、との話も流れています」(セ・リーグ関係者)

確かに、巨人と伊東監督との間には“パイプ”がある。今季途中に就任した鹿取(かとり)義隆GMは現役時代、西武で伊東氏とバッテリーを組んだ仲。また、伊東氏は2009年のWBCで総合コーチとして原辰徳監督(巨人監督と兼任)を支え、優勝に貢献している。

「当時も伊東氏の手腕は評判になり、原監督のサポート役として巨人入りするのでは、との声もありました。WBCは読売新聞が主催する大会ですから、そういう意味でも伊東氏とつながる人脈はできているはずです」(セ関係者)

ただし、実際に伊東氏を招聘するには大きなハードルがあるという。

「現任の村田ヘッドは人柄に定評があり、その点では球団上層部の信頼も厚い。原前監督も退任時に『村田は残してやってほしい』と球団にかけ合ったほどです。09年のWBC後に伊東氏の入閣が実現しなかったのも、村田氏の存在があったからだとみられています」(前出・デスク)

今年も広島に首位独走を許し、チーム再建が急務の巨人。オフのコーチ人事で「痛みを伴う改革」を断行できるか?

(写真/時事通信社)