Jリーグで好調な選手、結果を出している選手をどんどん起用してほしいと語るセルジオ越後氏

ニュージーランド戦(6日、豊田)とハイチ戦(10日、日産)、日本代表にとってはロシアW杯出場を決めてから初めてとなる強化試合だ。

来年の本番で戦う相手は、日本よりも強い相手ばかり。残り少ない期間に行なわれる強化試合では、しっかりと収穫と課題を見つけたいところだけど、今回はそれにふさわしい相手じゃない。はっきり言って、強化というよりはスポンサー向けのノルマ試合。世界各地でW杯予選が行なわれているタイミングだから仕方がない部分もある。でも、同じ時期に韓国は欧州遠征を行ない、モロッコ、ロシアと対戦する予定。イランもトーゴ、ロシアと対戦することを考えればやっぱり物足りない。

スタジアムはそれなりに盛り上がるのだろう。相手がどこだろうと、試合内容が低調だろうと、日本代表の試合はいつもアイドルのコンサートみたいな雰囲気になるからね。よくも悪くも、それが日本の文化。

ただ、営業妨害といわれてしまうかもしれないけど、サッカーが盛んな国でこのマッチメイクだったら、たとえ代表戦でもお客さんは集まらない。僕が日本代表のスポンサーのトップだったら「こんなマッチメイクしかできないのか」と怒るし、対戦相手のレベルにも条件を課すよ。

もっとも、いくら相手のレベルが低くても、貴重な強化の機会であることに変わりはない。単なるノルマ試合にしてはいけない。

Jリーグで好調な選手、結果を出している選手をどんどん起用してほしい。また、これまで代表に選ばれていたものの、出番に恵まれなかった選手の奮起にも期待したい。

そして、この2試合で活躍した選手を11月の欧州遠征(ブラジル戦、ベルギー戦)に連れていくこと。そうすることで既存の代表メンバーにも緊張感が生まれ、この2連戦にも意味が出てくる。試合に出る選手たちは、ここで結果を出せなければ来年のロシアW杯には行けないというくらいの覚悟を持ってチャレンジしてほしい。

攻撃陣でいえば、小林(川崎)、興梠(浦和)らJリーグの得点ランキング上位の選手たち。結果を残しているのだから当然、代表に選ばれる資格があると思う。また、個人的には柏の伊東も面白い。スピードも個人技もあって、カウンターを狙うならピッタリの選手だ。

守備陣では、三浦(G大阪)。さらに21歳の中山(柏)も神戸戦でポドルスキを完全に抑えていたし、代表で見てみたい選手のひとり。

メディアは海外組ばかり持ち上げるけど、国内組だって捨てたもんじゃないんだ。W杯最終予選では国内組の選手がチームを救う活躍を見せているし、僕は海外組と国内組の力の差がそんなにあるとは思わない。がんがんアピールしてほしいね。

(構成/渡辺達也)