ドラフト史上最多となる9球団の1位指名競合まで噂される早稲田実業の清宮幸太郎。
すでに意中の球団は絞られているともいわれるが、果たして「おいしい球団」と「おいしくない球団」はどこなのか!? 前編に続き、清宮目線で独自にリサーチした。
■レギュラーになりやすいのは?
かねてメジャー志向が強く、今ドラフトでも「最短でメジャーに行ける球団を希望している」ともいわれる清宮。だが、FAにせよポスティングにせよ、まずは入団した球団でいち早くレギュラーとなり、結果を残さなければ、メジャーなど夢のまた夢だ。では、清宮がレギュラーを奪(と)りやすい球団はどこか?
超高校級の打撃は誰もが認めるところだが、最大のネックはファースト以外守れないこと。それだけに、DH制のあるパ・リーグのほうが有利といえるだろう。なかでも、FA権を取得した中田翔の移籍が噂される日本ハムと、ファースト、DHとも外国人頼みのロッテはチャンスが多そうだ。
セ・リーグではここ2年、畠山和洋が故障に泣いているヤクルトが筆頭に挙がる。このほか、阿部慎之助、中島宏之といったベテランに衰えの見えてきた巨人、オリックスも後釜の準備が急務になっている。
対照的に、一塁に内川聖一、DHにデスパイネが君臨するソフトバンクや、今季23本塁打を放った山川穂高がファーストに定着したばかりの西武はハードルが高そうだ。
■メジャー挑戦を認めるのは?
現行のルールでは、海外FA権の取得には最低でも9年かかる。だが、清宮にとっては「そんなに長くは待てない」が本音だろう。できればNPBで5年間プレーし、今オフ、メジャー移籍が確実視されている日本ハムの大谷翔平のように、ポスティングシステムによる早期のメジャー移籍を視野に入れているはずだ。
これまでのポスティング容認実績から、西武(松坂大輔ら4選手)、ヤクルト(青木宣親ら2選手)、日本ハム(ダルビッシュ有ら2選手)、楽天(田中将大ら2選手)などは交渉がしやすい、おいしい球団といえるだろう。
逆にこれまで一貫してこの制度を容認してこなかった巨人、ソフトバンクの2球団は清宮にとっては避けたい球団となりそうだが…。
「ソフトバンクは王(貞治)会長が『お金欲しさに選手を売る行為』と、頑として認めないのでメジャー移籍するにはFAしかありえません。しかし、巨人は特例でポスティングを容認するのではとの声も。清宮と各球団の面談日に唯一、社長が同席したのも、その決意の表れではと噂されています」(球界関係者)
とはいえ、ポスティングはこれまで改訂を繰り返してきており、今後も現行のままとは考えにくい。あまりあてにしすぎると、思わぬ落とし穴に落ちる可能性も。
(取材・文/菊地高弘)