村田はジャイアンツ球場での荷物整理後、「岡本がレギュラーで出る姿を見たい」と後輩への思いを語ったが…

若返りを図るため、苦渋の決断でした―。

2012年にFAで加入し、原政権での3連覇に大きく貢献した松坂世代の強打者・村田修一への電撃的な自由契約通告。球団発表と同時に編成トップを務める鹿取義隆GMはそうコメントした。しかし「実情はまるで違う」とTV局関係者が言う。

「そもそも内海哲也、山口鉄也ら今季ほとんど戦力になれなかったベテラン投手を残すわけですから『ああ、大ナタを振るう気はないな』というのが我々の見方です。ただ、4位に終わったからには象徴的な“一手”がどうしても必要。そこで外様(とざま)の村田が切られたのでしょう」

07年にCS(クライマックスシリーズ)制度が始まって以来、初めて進出を逃した巨人。来季はCS出場…というより、優勝が至上命令となるはずだ。

「来季もし優勝を逃せば、高橋由伸監督の交代論が浮上してくることは確実。率直に言って、若手に出番を与えて鍛えるという状況ではないんです。読売新聞本社でのシーズン終了報告を終えた後、記者との問答で高橋監督は『若手を使えと言うが、それで負けたら叩くでしょ。どうしたらいいんだよ』と珍しく気色ばんでいました」(TV局関係者)

冒頭の鹿取GMのコメントを聞いて、多くのファンは村田が守っていたサードに期待の若手大砲・岡本和真がとことん使われることを期待している。しかし、それも叶(かな)うことはなさそうなのだ。スポーツ紙デスクが言う。

「高橋監督の現時点の構想では、来季のファーストは阿部慎之助、サードはマギーです。また、岡本はレフトで使われることもありますが、巨人は今オフ、今季ホームラン王の中日・ゲレーロ、あるいはヤクルトのバレンティンを本気で獲りにいく。レフトのポジションも新外国人選手で埋まる可能性が濃厚です。

つまり、岡本が使われるとすれば、セカンドで期待されている吉川尚輝が結果を出せず、マギーがセカンドに回るパターンくらいでしょう。結局、ドラフトで清宮幸太郎を獲れない限り、巨人のイメージが劇的に変化することはなさそうです」

ちなみに、巨人は村田に対して引退後の“コーチ手形”を切ったとも言われている。このあたりはFA獲得選手への温情に厚い巨人らしい話だが、投打とも残った主力の高齢化は深刻。大改革なくして来季の浮上はあるのか?