日本シリーズが終わり、ストーブリーグの季節がやって来た!
今年は選手たちのみならず、有名なコーチたちも“就職活動”を活発に行なっており、まさに「民族大移動」になりそうだ。現場で日々、嗅ぎ回る記者たちが“書けない話”を大放出!
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スポーツ紙デスク さあ、我々にとってはシーズン中とは別の意味で忙しい季節になりました(笑)。このオフの主役は、やっぱりゴールデンルーキー・清宮幸太郎を引き当てた日本ハムだな。
記者A 大谷翔平のメジャー挑戦は既定路線。今後の注目は、中田翔ら主力クラスのFA選手たちの動向ですね。
記者B まず中田。FA行使での他球団行きは、ほぼ消えたとみていいですかね。唯一、獲得に前向きだった阪神も、金本知憲監督が球団にストップをかけたとか。
記者C やはり生え抜きの育成に軸足を置きたいようです。しかも今季の中田は打率.216、16本塁打、67打点とレギュラー定着以来、最低の成績。そんな選手に10億円前後の大型契約を提示して連れてくるわけにはいかない。
デスク 中田は水面下で自らオリックスに打診したものの、“空振り”に終わったとの噂もあるけど。
A 福良淳一監督とは日本ハムのコーチ時代の師弟関係ですが、オリックスの一塁は中島宏之、小谷野栄一、マレーロと“重量級”の選手がだぶついていて、ドラフトでは清宮すら回避して投手を獲った。中田の居場所はないですよ。
B ただ、いずれにしても清宮の入団で、日本ハムが中田を放出する可能性がますます高まったのは間違いない。
C トレードですよね。確かに、すでに中田はフロント幹部の戦力構想から外れているともっぱらの噂です。過去にはファンの反発を承知の上で糸井嘉男(現阪神)をトレードに出した球団だし、「高額年俸の選手は放出」という方針に例外はない。
大型複数トレードを球団が画策!?
デスク 日本ハムではほかにも増井浩俊、宮西尚生、大野奨太とFA予備軍がズラリ。
A 増井はFA行使がほぼ確実。手を挙げそうなのは巨人と阪神ですが、本人が希望しているという巨人入りが濃厚でしょう。一方、同じリリーフでも宮西はだいぶ力が落ちたという評価が支配的です。
B 大野はシーズン終了後に肘を手術したので残留確定かと思いきや、球団関係者の話ではやはり“放出組”らしい。むしろ肘の不安を払拭(ふっしょく)し、他球団へアピールする狙いもあるとか。ただ、宮西、大野はそもそもFAで獲りにいく球団があるかなあ…。
C だから、例えば「中田+宮西」とか、「宮西+大野」といった大型複数トレードを球団が画策しているとみる向きもありますね。さらに、あの斎藤佑樹もついにトレード候補に入ったらしいし。
デスク しかし、荒木大輔氏の2軍監督就任は謎だ。荒木サイドからの売り込みだったようだけど、ヤクルトでも西武でも指導者としては実績を残せていないのに。
A 日本ハムは完全にフロント主導の球団。はっきり言ってしまえば、持論を主張するタイプではなく、チームの方針に従うイエスマンの指導者で固めたいんでしょう。
B ともあれ、日本ハムは大谷含め大量流出で戦力ダウンは必至。来年も厳しいです。
C それでも清宮入団で注目度は断トツ。やっぱりこの球団、何か「持って」ますね。
(写真/小池義弘)