大谷サイドが優先するのは契約金額よりも「二刀流容認」、そして「日本人選手の受け入れ経験」だという。 ※写真はイメージです。

「アメリカではMLB公式サイトを含め、連日のように『大谷翔平』が話題になっています。全30球団が関心を持っているというのも、あながち“盛った話”ではありませんよ」

そう語るのは、スポーツ紙メジャー担当記者だ。

日本ハム・大谷が11月11日、ついにメジャー挑戦を正式に宣言した。ポスティングに応札する球団はどれだけあるのか、そして最終的にどの球団が契約を取りつけるのか。野球ファンのみならず、日米両国で注目の的となっている。同記者が続ける。

「公式・非公式含め、入札に参加する意思を示しているのはヤンキース、ドジャース、レンジャーズ、パドレス、ダイヤモンドバックス、ブルージェイズなど。さらに、まだ興味を公言はしていないものの参戦してきそうな球団も4、5球団はあります。少なくとも10球団くらいは入札に参加する可能性があるとみていいでしょう」

そう聞くと文字どおり「争奪戦」という感じだが、実はメジャー関係者の見方はもう少しクールだ。ナショナルリーグ某球団のスカウトが言う。

「ポスティング制度では入札球団の数が最後まで発表されないから“答え合わせ”はできないが、現実的な意味で獲(と)りにいくのは3、4球団程度だろう。やはりネックは、大谷が最もこだわっているとされる二刀流。メジャーは先進的なイメージが強いが、案外、保守的な面もあり、特に主力の故障リスクに関しては非常にナーバスだからね」

確かに日本ハム時代の大谷は、投手としては最低でも中6日を空けて大事に使われていた。メジャーの中4日、中5日でどれだけ投げられるかは未知数だ。しかも二刀流となれば、故障リスクはさらに膨らむとみられるのも無理はない。

「投手のみ、あるいは打者のみだったら、間違いなく10球団近くは入札する。ただ二刀流を続けるなら、現実的には指名打者中心にプレーし、10日に一度くらいローテの谷間で先発できるかどうか。そうした使い方や育て方を承知の上で、入札に踏み切れる球団がどれだけあるか、だね」(ナ某球団スカウト)

各球団幹部の「二刀流への理解度」をチェック

実際、大谷が代理人契約を結んだネズ・バレロ氏(青木宣親や田澤純一の代理人でもある)が真っ先に着手したのは、各球団幹部の「二刀流への理解度」チェック。15日から米フロリダで行なわれているGM会議に乗り込み、それぞれの本気度を確かめているのだという。

「周辺から聞く限り、大谷サイドの姿勢としては、金銭的な条件は二の次。主な希望は二刀流の容認に加え、過去に日本人選手がプレーした実績ーーつまり、受け入れる環境が整った球団ということです。それらを考えると、入団先はある程度絞られてくる。本命はドジャース、ヤンキース、レンジャーズの3球団で、穴としてレイズあたりが挙げられると思います」

大谷のポスティングが行なわれるのは、メジャーの大物FA選手たちの動向がある程度見えてくる12月中旬頃になる可能性が高い。“狂騒曲”はまだまだ続きそうだ。