日米をまたぐ大谷翔平フィーバーの陰にすっかり隠れているが、このオフはほかにも各球団の主力3投手―西武・牧田和久、オリックス・平野佳寿、ロッテ・涌井秀章が夢のメジャー移籍を虎視眈々(こしたんたん)と狙っている。
牧田はポスティング、平野と涌井はFAと立場も違えば、メジャー移籍の実現度も三者三様だ。まず牧田について、メジャー某球団のスカウトは次のように評価する。
「変則的なアンダースローはとてもユニーク。しかしその一方で、同じく変則フォームだった高津臣吾(元ホワイトソックスほか)のように、打者が慣れてしまえば打たれるリスクも感じる。契約が安ければ中継ぎ候補としてメジャー契約できる可能性はある、というところだね」
その点、西武の渡辺久信SD(シニアディレクター)はポスティングの設定金額について「タダというわけにはいかないが、メジャー球団が手を挙げやすい金額設定にした」と明言。さらに、「本人も金額は二の次と考えているし、地域やリーグのえり好みもなさそうです」(スポーツ紙デスク)というから、それなりに移籍の実現度は高そうだ。
続いて平野。レッドソックスやカージナルスなどが関心を示しているともいわれるが、「あくまでも米メディアがそう報じただけ。熱意や感触などは未知数」(デスク)。
前出のメジャースカウトもこう言う。
「日本では抑えだったが、メジャーでは中継ぎ候補。彼は150キロ前後の速球とフォークが売りだけど、似たようなタイプは珍しくないからね。メジャー契約のオファー自体はあるだろうが、最高で2年4億円程度では」
そんな平野に対し、オリックスはすでに「2年7億円」程度の好条件を提示済みだという。移籍か残留か、五分五分といったところだろうか。
そして、さらに評価が厳しいのが涌井。
「まだ31歳だが、球威、球速ともすでにピークを過ぎた印象。よほど先発投手不足のチームでなければマイナー契約か、春季キャンプの招待選手で内容が良ければメジャー契約という感じだね」(前出・メジャースカウト)
ただし、涌井にはこんな“後押し”もある。
「涌井は今年のワールドシリーズを現地観戦してメジャーへの思いがさらに高まったようですが、このとき同行していた奥さんの押切もえさんも、実はメジャー移籍に相当乗り気らしい。現段階でオファーの可能性がありそうなチームはオリオールズなどごくごく一部ですが、涌井サイドは長期戦覚悟だと思いますよ」(前出・デスク)
いずれにせよ、涌井に限らず彼らの動向が見えてくるのは、12月中旬のウインターミーティングを経て、移籍市場の大物選手たちがひととおり動いてからになりそうだ。大谷やダルビッシュ有のニュースばかりでなく、彼らの続報にも要注目!