2018年は重要な選挙や法律もあれば、深刻な社会問題もある。巨大イベントもあれば、政治や経済界の激震もある。注目の新アイテムや、大流行目前のアプリもある。
そこで週プレが探した「2018年のキーワード」から、「政治・経済編」「社会編」に続き、「スポーツ編」をご紹介する。
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◆サッカー&マラソン界の二大エース! 「大迫ハンパないって」
2018年はサッカーの大迫勇也、マラソンの大迫傑(すぐる)の“W大迫”に要注目だ。
大迫勇也は言わずと知れたサッカー日本代表のエースFW。アジア最終予選では中盤から終盤にかけての大事な4試合に先発するなど、ハリルジャパンの絶対的エースに成長。大柄な敵を背負ってもひるまず、最前線で体を張り続けて攻撃の起点となった。ブラジルW杯で2試合に先発しながら無得点に終わった雪辱をロシアW杯で果たすべく、「借りを返したい」と誓う。
一方、大迫傑はもともと5000mの日本記録保持者だが、自身2度目のフルマラソンとなった昨年12月の福岡国際マラソンで2時間7分19秒という日本歴代5位の記録をマーク。長期低迷する日本男子マラソンの救世主として期待を集める。日本陸連強化委員会マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古利彦氏も「日本記録(2時間6分16秒)の更新は時間の問題」と今後の成長に太鼓判を押す存在で、記録をどこまで伸ばせるかに期待がかかる。
かつて大迫勇也は、高校サッカーで圧倒的な質の違いを見せ、対戦相手から「大迫ハンパないって」という名言を引き出した。今年のサッカー&マラソン界で、この言葉が再び流行するかもしれない。
(取材・文/栗原正夫)
◆早くビッグマッチが見たい! 「モンスターINOUE」
昨年、鮮烈な米国デビューで世界中をあっと言わせた井上尚弥。今年はさらなる飛躍の年になりそうだ。
「今年2月には米国で統一戦が計画されていましたが、他団体の王者に軒並み逃げられてしまった。そこで、もともと深刻な減量苦を抱える井上は、好敵手を求めてスーパーフライ級からバンタム級にクラスを上げ、3階級制覇に乗り出すことが確実視されています。すでに山中慎介を倒したルイス・ネリが井上戦に興味を示すなど、バンタム級は強豪ぞろいですから」(ボクシングライター・友清哲氏)
日本のモンスターが世界のビッグマッチで結果を出していけば、いずれパッキャオのような“ワンマッチ数百億円”のスーパーボクサーも夢じゃない!?
「小川ジュニア」に、番外でこちらも注目!
◆日本柔道界に期待の新星現る! 「小川ジュニア」
バルセロナ五輪柔道銀メダリスト・小川直也氏の長男、小川雄勢(ゆうせい・明治大学3年)がついに覚醒。昨年の講道館杯で優勝、続くグランドスラム東京でも海外の強豪勢を相手に優勝を果たしたのだ。長年、柔道の取材を続けるノンフィクションライターの柳川悠二氏が彼の魅力を語る。
「身長190cm、体重135kgという体格を生かし、左組みから相手の奥襟を狙うスタイルは父を彷彿(ほうふつ)とさせます。体幹がしっかり鍛えられ、簡単には投げられない強みもある。今後は、父が得意とした大外刈りのように自分の決め技を磨くことが成長のカギでしょう。冬季欧州遠征や春の全日本選手権ではそのあたりに要注目です」
成長を続け、夏の世界選手権で絶対王者リネール(フランス)を倒す姿をぜひ見てみたい! ちなみに、人物ではないが、大注目のキーワードとして最後にこちらも…。
◆「パ高セ低」打破の一手! セ・リーグDH制
近年、日本シリーズや交流戦でパ・リーグに大きく負け越しているセ・リーグがついに動きだした。昨秋の12球団オーナー会議やセの理事会で、DH(指名打者)制導入を本格的に検討することが決まったのだ。
切れ目のない強力打線が組めるだけでなく、無駄な投手交代を減らせるなど、投打ともに利点だらけのこの制度。「パ高セ低」打破の一助となりそうだが、反対意見も根強いという。
「『伝統を覆すな』という声もありますが、国際大会やアマ野球ではむしろDH制が主流。『DH制なし』は明らかに時代にそぐわない。セはかたくなに守り通してきましたが、パとの実力差は開く一方。背に腹は代えられませんよ」(スポーツ紙記者)
いよいよセッパ詰まってきた。
(取材・文/本誌流行特捜班)