2月10日、PCゲームやビデオゲームで行なわれる競技「eスポーツ」の振興を目的とした団体「日本eスポーツ連合」(JeSU)による初の公式大会「ストリートファイターⅤ アーケードエディション 闘会議GP大会」が、千葉・幕張メッセで開催された。優勝賞金は200万円。同団体にプロとして認定された4名のプレイヤーが参加した。
「eスポーツ」は、2020年にはオーディエンスが5億人に達すると予想されているほど、今や世界有数の人気“プロスポーツ”。だが、日本ではいまいち盛り上がっていない。eスポーツに詳しい事情通がこう説明する。
「これまで、日本ではプロゲーマーは“大会で賞金を稼ぐなど、ゲームをして食べている人”というボンヤリとした扱いでしかなかった。また、日本では法律的な問題があり、近年は優勝賞金が数十万ほどの大会しか開きにくい状況でした。アメリカ発の人気ゲーム『Dota 2』の国際大会の優勝賞金は12億円にもなることを考えると、その差は歴然です。
現在、日本でプロゲーマーといわれる人は100人ほどいますが、全体の平均年収は一般サラリーマン並み。海外の高額賞金が出る大会に遠征し、1千万円以上の賞金を獲得するような“稼げるプロゲーマー”は、日本では『ウメハラ』氏や『ときど』氏くらいしかいません。
こんな状況では、日本でスターとなるプロゲーマーは生まれにくいし、世界の強豪たちが集う大会も開けません。日本でeスポーツを発展させるためには、プロ認定をする国内唯一の団体が必要であるとして、メーカーなどの協力のもとJeSUが設立されました」
では今後、日本のプロゲーマーたちが国内で活躍できる場が増えるのだろうか?
「毎年12月にアメリカで行なわれる『カプコンカップ』のストリートファイター部門の優勝賞金1500万円には及ばないものの、国内大会で賞金200万円の大会が開催できたのは大きな前進でしょう。今後、こうした賞金200万~300万円クラスの国内大会が増えれば、ライセンスを受けるプロゲーマーも増えると思います。
ただ、法律的にグレーな部分もいまだ多く残っており、JeSU設立も見切り発車な感は否めないので、断定はできないのですが」(事情通)
日本でeスポーツが人気になる日は来るのか?
(写真/時事通信社)