世界最年長プロサッカー選手、キング・カズのグアムキャンプに週刊プレイボーイ本誌が初密着!
Jリーグ開幕。キング・カズが語ったプロ33年目の抱負とロマン溢れる引き際の美学とは?
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今年で14年目を迎えたグアム自主キャンプは「男のロマン」に満ち溢れていた。今回、朝から晩まで練習漬けの合宿生活に年末の4日間と年始の4日間、初めて密着する幸運に恵まれた。
開始から1週間ほどたって合流。「ベイビーッ! 待ってたよー!」と、まだあたりも薄暗い早朝からご機嫌なキング。思えばキャンプ中は終始、こんなテンションだった(笑)。
だが、毎日の練習は驚くほどにハードだ。そのスケジュールは、
●5時20分 起床。 ●6~7時 5000~6000mインターバル走、50mダッシュ4本、ストレッチ。 ●7時半 朝食。 ●9時半~11時半 芝のピッチでバーベルやラダーを使ったサーキットトレーニング。シュート練習。長短ダッシュ。アイシングとマッサージ。 ●13時半 昼食。 ●15~16時半 室内ジムでひたすら筋トレ。仕上げにピッチ3周ほどのジョグと100mダッシュ3本。その後、プールで軽く泳いでクールダウンする日も。 ●19時 夕食。そして入念なマッサージ。 ●21時 就寝。(耳栓をして寝て、朝は目覚ましいらず!)
これを12月は16日間、クリスマスと正月を挟んで1月は13日間行なう。この間、休みは1日もない。まさに「鬼の合宿」なのだ。
とある日の朝練。
インターバル走5周、体幹トレーニングに続いて、3人の練習パートナーと共に、10m四方の四角形をつくり、走りながらのボール回しが始まった。1分続けて15秒休む。左足のみ、右足のみを交互に入れ替えながらこれを10セット。見ているこちらもツラくなってくるほどハードだ。
「もう少し時間を短くするか!?」
竹内章高トレーナーの声に「いや、それよりもっと精度上げていこう!」と、首を横に振るカズ。
いいパスが来るとそれだけ走る距離も増える。練習は心拍数を170くらいまで上げて15秒で平常まで落とす、の繰り返し。極限状態ともいえるなか、それでも正確なプレーを追求するカズは、これでもかと自身を追い込む。
「僕の年だと、本当は心拍数170でいっぱいいっぱい。でも、始まっちゃえば試合と同じような気になって、つい自分を追い込みすぎてしまうんです。それで(心拍数が)200近くまで上がって竹内さんに止められちゃう(苦笑)。
そんな数字はあくまで目安、一番大事なのはメンタルでしょ!って言いたいところだけど、少しは年も考えないとね。脈を下げるのも昔みたいに簡単じゃないから大変ですよ。“早く下げなくちゃ”って緊張して、返って脈が上がってしまったりして(笑)」
◆発売中の『週刊プレイボーイ』11号(2月26日発売)では、サポートする仲間、引き際の美学についてキング・カズが語った。祝51歳記念をカラーページで大特集。こちらも是非お読みください!
●三浦知良(みうら・かずよし) 1967年2月26日生まれ、静岡県出身。横浜FC所属。ポジションはFW。プロリーグでプレーする世界最年長のサッカー選手。
(取材・文・撮影/ヤナガワゴーッ!)