ブラシでバランスを取りながら、ストーンを投げる体勢の練習。

平昌五輪で女子カーリングが銅メダルを獲(と)ったことで今、カーリング体験教室への問い合わせが殺到中だ。

東京都カーリング協会の担当者はこう話す。

「3月のカーリング体験会はすでに満員です。明治神宮外苑アイススケート場、東大和スケートセンターともに定員を倍にしましたが、神宮は募集を開始したその日のうちに、東大和は2時間ほどで埋まりました。そのため回数を増やしたいのですが、スケートリンクの予約が取れないため増やすことができません」

また、神奈川県カーリング協会の担当者も「2月は数名の参加者しかいなかったのですが、3月は50名の定員が満員です。現在はキャンセル待ち状態で問い合わせが多く、対応にてんやわんやしています」と戸惑いを隠せない。

では、どんな人たちが参加しているのか。神奈川県カーリング協会主催の体験教室に行くと、20代、30代が中心で男女比も半々くらいだ。

この日、参加していた人たちに話を聞くと…。

「大学のサークル仲間と一緒に来ました。女子カーリングが準決勝に行けるかどうかの頃に興味を持って予約しました」(20代男性)

「女子が試合をしている姿がかわいかったので、自分もやってみたいと思って参加しました」(30代女性)

やはり平昌五輪の影響が大きいようだ。

“もぐもぐタイム”も経験できる!

体験教室の内容は、(1)片足にスライダー(滑りやすくするために靴底につけるカバー)をつけて、ストーンを投げる体勢で滑る練習、(2)実際にストーンを投げてみる、(3)ブラシで氷面を掃く練習、(4)ミニゲームなど。

記者もやってみたのだが、とにかくスライダーをつけてストーンを投げる体勢(片脚を曲げ、片脚を伸ばす)で滑るのが難しい。

たとえるなら、バランスディスク(平らなバランスボール)の上に片足で乗りながら、氷の上を動いているといったイメージだ。脚がプルプルして真っすぐに進まないし、気を抜くと転んでしまう。

そんな状態でストーンを投げるので、思った方向に行かないし、投げるときの力加減の調整もうまくいかない。

五輪選手は簡単に投げているように見えるが、思っているよりかなり体力を使う(ちなみに筋肉痛が3日間取れなかった)。ほかの参加者も「バランスを取るのが難しい」と口をそろえていた。

約2時間の講習を終える頃には、一応、投げられるようになり、実際の半分の距離(約20m)で真ん中においたストーンに当てるミニゲームに挑戦。一度だけ当たった(まぐれ)ときの気持ち良さは格別で、本格的な試合をしてみたいと思った。

「現在、神奈川県カーリング協会の会員は70名ほど。神奈川県大会、関東大会、日本選手権と勝ち進めば、北京五輪も夢ではありません。神奈川県大会は6エンドで行なわれますが、関東大会は8エンドで、4エンド終了時には“もぐもぐタイム”も経験できます。ぜひ、カーリングを楽しんでみてください」(神奈川県カーリング協会の笹田理事)

14日からは、銅メダリストたちも出場する「日本ミックスダブルスカーリング選手権」が開幕。カーリング熱はまだまだ冷めそうもない。