デスマッチに心血を注ぐ世羅りさ デスマッチに心血を注ぐ世羅りさ

十数団体が群雄割拠し、個性あふれる選手たちがしのぎを削る女子プロレス界。人気再燃の気配が漂う中、有望な若手選手を紹介!

声優の学校に行っていた時、受けたオーディションがプロレスを題材にしたものだったのをきっかけに、プロレスラーとしての道を歩み始めた世羅りさ。女優でレスラーの彼女が心血を注ぐのはデスマッチだ。

―影響を受けた選手はデスマッチで知られるアブドーラ小林さんと星野勘九郎さんだそうですが、なぜそこまで惹かれるのか?

世羅 見た目が派手だしカッコイイ! チケット販売に行った大日本プロレスで初めて観て「なんだこれは!?」って衝撃を受けて。当時の自分は蛍光灯で殴られたら立っていられる自信は全くなかったので「そこまでたどり着きたい」というレスラーとして自分を確立する目標にも思えたし、“どうせ女優の片手間”みたいな目で見られることもあったので、なめられたくない思いもありました。

それに、男の人ならデスマッチできて女の人には無理だって言われるのは絶対にイヤなんです。今は男女平等じゃないですか! 剣道をやっていた時も、同じ道場の男の子も全員倒してやると思ってたし、高校になっても負ける気はしなかったです!

―勝ち気な一面もあったと。ではプロレスラーとして戦うのも向いていた?

世羅 でも剣道は竹刀だし、最初は素手で人を殴るのは抵抗がありました…。むしろ殴られるのは「ドMなのかな」ってぐらい平気で、殴るぐらいなら痛いけど殴られたいと思ってました(笑)。今は躊躇(ちゅうちょ)なく殴りますけど!

―初めてのデスマッチは自ら手掛けた“世羅りさ興業”の「人毛デスマッチ」です。

世羅 蛍光灯は同じ団体のコからも反対されたのもありましたが、私にしかできないデスマッチにしたくて、そこで考えついたのが精神的に苦痛を与えられる「人毛デスマッチ」。東京・埼玉・神奈川の美容院をレンタカーで回ってダンボール6個分の髪の毛を集めました! その後も、誰も思いつかないデスマッチをやろうと花粉を集めて風船に入れたり、紙やすりを使ったり、火を点けたロウソクを敷き詰めたロウソクボードも作りましたね。

―クリエイティブ!

世羅 その中で私が胸を張れるのが「60分アイアンウーマンデスマッチ」。60分間、どんなデスマッチアイテムが来ても戦い続けるという試合で、やりきった時は「もう二度とやらない!」と思うぐらい力を使い果たしましたが、あの快感は忘れられないですね(笑)。デスマッチはこれまで4回やりましたが、お客さんとの一体感が作れるので最高です!

―先日には「ラストデスマッチ」と銘打ち、自主興行をされましたが…。

世羅 ラストって決めちゃったけど、望んでくださるならラストデスマッチ「2」とかやっちゃうかも! この業界に「終わり」という概念はないと偉大な先輩方に教えてもらったし、その時はまた私にしかできない新しいデスマッチをお見せしたいです!

●「ツヨカワ女子プロレスラー最前線2018」は『週刊プレイボーイ』16号(4月2日発売)に掲載!

(取材・文/明知真理子 撮影/荻原大志)

■世羅りさ(せら・りさ) 1991年11月19日生まれ 広島県出身 身長167㎝ 得意技=ダイビング・ダブルニードロップ○女子プロレスを題材にした映画『太陽からプランチャ』のオーディションを受けたのがデビューのきっかけ

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