日本代表を背負う存在の(左から)久保、中村、菅原。

今季25周年を迎えたJリーグで今、16歳、17歳の「高校生Jリーガー」たちが目覚ましい活躍を続けている。

ロシアW杯の予備登録メンバー発表まで残り僅か。日本サッカーの将来を担う「東京五輪世代」のサプライズ選出はあるのか、前編記事に続き検証する!

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久保建英(たけふさ、FC東京)中村敬斗(けいと、ガンバ大阪)菅原由勢(ゆきなり、名古屋グランパス)がこれからの日本代表を背負う存在であることは間違いない。この3人に未来の大舞台で存分に力を発揮してもらうためにも「日本代表の空気を感じさせてみては?」と思ってしまう。

ベルギーでの親善試合を1敗1引き分けで終えた日本代表。ロシアW杯まで2ヵ月を切っているにもかかわらず、今回の欧州遠征メンバーを見渡すと、どこか“新戦力発掘”の色合いが濃く感じられた。新たに指揮官に就任した西野朗監督は、W杯メンバー23人の決定は「ガーナ戦が終わった(翌日の)5月31日」と明言していた。5月14日に予備登録メンバー35人が発表され、そこから本大会のメンバーを絞り込むという。

予備登録メンバーは35名と多く、高校生Jリーガーたちにも門戸は開かれている。成長目覚ましい彼らに国内合宿で経験を積ませてみても…。

「高校生で日本代表に選ばれた選手というと、市川(大祐)が印象深いと思います。彼はフランスW杯直前にカズ(三浦知良)や北澤(豪)とともにメンバーから漏れましたが、チームに帯同して練習や試合に向けた準備など様々なことを学びました。でも、一番の収穫は“悔しさ”だったんじゃないかと思っていて。

選手としてピッチに入れないわけですから、それは観客と一緒。そこで芽生えた『この舞台に出てやるんだ』という強い気持ちが、オーバートレーニング症候群を乗り越えて日韓W杯メンバー入りする原動力になったんじゃないでしょうか」(『ワールドサッカーグラフィック』元編集長、中山 淳氏)

現在のJリーグには、FC東京の久保建英のほかにも昨年11月にJ1デビューを飾ったFC東京の平川怜(れい)、今年1月に京都サンガF.C.とプロ契約した福岡慎平上月(こうづき)壮一郎、徳島ヴォルティスの藤原志龍(しりゅう)といった楽しみな高校生がまだまだいる。

また、彼らの先輩にあたる10代のJリーガーには、ガンバ大阪の福田湧矢(ゆうや)、鹿島アントラーズの安部裕葵(ひろき)、セレッソ大阪の山田寛人、清水エスパルスの立田(たつた)悠悟、アルビレックス新潟の原 輝綺(てるき)らがいる。

さらに海外では、オランダ1部のFCフローニンゲンに所属する堂安 律(どうあん・りつ)が輝きを放っている。成長著しい「東京五輪世代」から、“ビッグサプライズ”を決断させる選手は現れるのか。予備登録メンバー発表のその瞬間まで、彼らのプレーから目が離せない。

(取材・文/和田哲也 写真/アフロ)