5月5日、挨拶をしようと大谷が近づくと、イチローは逃げるように走りだす。慌てて追いかける大谷。もちろん、イチ流のジョークだ。すぐに立ち止まり、満面の笑みで握手を交わした 5月5日、挨拶をしようと大谷が近づくと、イチローは逃げるように走りだす。慌てて追いかける大谷。もちろん、イチ流のジョークだ。すぐに立ち止まり、満面の笑みで握手を交わした

1994年4月7日、プロ3年目の鈴木一朗は、シーズン開幕直前に登録名を“イチロー”に変更。その3ヵ月後の7月5日、岩手県で大谷翔平が産声を上げた。

それから24年後、ふたりはシアトルのセーフコフィールドで握手を交わした。

「これは感慨深い瞬間です」

と語るのは、大リーグ評論家の福島良一(よしかず)氏だ。

「あの握手は、偉業を残しリーグを去り行こうとする日本人選手が、これから偉業を残そうとする日本人選手へ次代を託した瞬間のようにも見えました。イチローのメジャーデビュー時は、『日本人野手が活躍できるのか?』と批判的な意見も多かった。

しかし、彼は抜群の技術で歴史的な成績を残しました。そんな偉大な選手の晩年に、投げては160キロ、打っては150m級のホームランと、アメリカ人選手をパワーで、しかも投打で凌駕(りょうが)する日本人選手が現れたのは、どこか運命的なものを感じます」

21歳違いの“同い年”。ふたりのストーリーにはまだ続きがありそうだ。

(写真/時事通信社)