「貴重な強化試合なのにもったいない」と語るセルジオ越後氏 「貴重な強化試合なのにもったいない」と語るセルジオ越後氏

ロシアW杯に挑む23人を選ぶ最後の舞台、ガーナ戦(30日・横浜)の日本代表メンバー27人が発表された。

驚いたのは中島の落選だ。

今季のポルトガルリーグで10得点、12アシストと結果を残し、3月の欧州遠征でも攻撃を活性化させ、得点を決めるなどアピールに成功した。ファウルをもらうのがうまいし、ゴールへ向かう姿勢がある。西野監督の「ポリバレントではなかった」という指摘は、正直よくわからないね。

中島は2016年リオデジャネイロ五輪でもいいプレーを見せたけど、手倉森コーチ(リオ五輪代表監督)は彼の選外についてどう思っているのだろう。そもそもメンバー選考について、意見を言える立場にはなかったのかな。

そのほかでは、浅野の選出も意外だった。確かにスピードという絶対的な武器はある。守って守ってカウンターというサッカーをやるなら、彼のような選手を一枚入れておきたくなる気持ちはわかる。でも、浅野は今季シュツットガルトではほとんど試合に出ていない。同じスピードを武器にするタイプなら、最近はFC東京の永井が結果を出している。彼のほうがよかったんじゃないかな。

それ以外の顔ぶれはおおむね順当な印象だ。時間が限られているなかで、新しい選手を入れて、新しいやり方を打ち出すのは難しい。ハリルホジッチ体制の流れをベースにするのは当然のこと。また、W杯出場経験のあるベテランが優先されている印象があるけど、長期的なチームづくりができないだけに、西野監督は彼らの経験値に期待を寄せているのだろう。

メンバー23人への絞り込みについては、GKとDFはこれでほぼ決まりに見える。動きがありそうなのは中盤から前。特にボランチは激戦。長谷部、山口、井手口、青山、三竿に加え、攻撃が持ち味の柴崎、大島、さらにはDFの遠藤もこのポジションをこなせる。ここから2、3人が外れてもおかしくない。

今の時点で23人に絞っておけばよかった

全体的に見ると、やはり西野監督は守備的に構えてカウンターを狙うサッカーをやろうとしているように見える。彼が指揮を執った1996年のアトランタ五輪ブラジル戦では、ブラジルのキープレーヤーであるジュニーニョに服部(年宏)をマンマークでつけ、粘り強く守って一発のカウンターで逃げ切った。

今回も、例えば初戦のコロンビア戦でハメス・ロドリゲスにマンマークをつけるとか、そうした戦い方も西野監督の頭の中にあるかもしれない。今の日本の力からすれば、ある意味、理にかなった戦い方だね。

ガーナ戦については、本来であればW杯本番のシミュレーションにしたかったけど、各選手のコンディション確認、そして誰を落とすのかを決めることがメインテーマになってしまった。本番まで時間がない中での貴重な強化試合なのにもったいない。

個人的には、ギリギリまで引っ張らずに、もう今の時点で23人に絞っておけばよかったと思う。そして今後の1ヵ月間でコンディションをベストに持っていく。もしケガ人が出ても入れ替えは可能だし、それがベストのやり方だった。ガーナ戦の先発をどうするのか、6人の交代枠を使いながら誰を試すのか、そして誰を落とすのか。西野監督の悩みは尽きないだろうね。

(構成/渡辺達也)