グループリーグ最終戦の相手は強力ストライカーを擁する東欧の雄ポーランド。しかし、西野ジャパンにも勝機は十分。この難敵を倒せれば過去最高成績のベスト8も見えてくる!
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グループリーグ最終戦で日本が対戦するポーランド。W杯出場は3大会ぶりとあって日本のサッカーファンにはなじみが薄いが、一体どのような相手なのか。サッカージャーナリストの後藤健生(たけお)氏が語る。
「ひと言でいえば、『戦術=レバンドフスキ』といったチームです(笑)。FWのレバンドフスキ目がけ、両サイドからひたすらクロスを上げてくる。でも、あれだけの大エースがいたら、その選手をどう生かすかという戦い方になるのは当然ですよ」
レバンドフスキはドイツの名門バイエルン・ミュンヘンに所属するゴールゲッター。前所属のドルトムント時代は、香川のチームメイトでもあった。今季は30試 合出場で29得点をマークし、ブンデスリーガ得点王に輝いている。そのプレーの特徴をドイツ在住サッカージャーナリストの中野吉之伴(きちのすけ)氏が解 説する。
「足元もヘディングもうまく、どんな形でもゴールを奪える万能型のFWです。しかもゴール前で待ち構えてシュートを打つだけでな く、ポスト役もこなせば、自分でドリブル突破もできる。1対1の勝負では、世界トップクラスのDFでも対応するのは難しいでしょうね。また、ロシアW杯の 開幕前にポーランドで彼の切手が発売されるなど、祖国の英雄的存在で、代表チームの精神的支柱です」
世界レベルでも突出しているストライカーを擁するチームに日本はいかに対応すべきなのか。サッカージャーナリストの西部謙司氏が言う。
「まずはレバンドフスキにボールが渡らないようにすること。ポーランドはサイドハーフとサイドバックが上下にポジションチェンジしながら敵陣深く侵入し、クロ スを上げてきます。だからポーランドのサイドにボールが渡ったら、日本はサイドバックだけでなくその前のサイドハーフも守備に戻り、絶対に数的優位をつく らせないようにして、クロスを封じることです。サイドさえ抑えれば、レバンドフスキに入るボールは半減しますからね」
それでも、レバンドフスキにクロスが上がってしまったら?
「とにかくしつこくマークにつき、決して彼に自由にプレーさせない状況を90分間徹底させることです。完璧に密着できてもおそらく1失点ぐらいはしてしまうでしょうが、2点以上取られなければ、勝敗はどちらのチームにも転びます」(後藤氏)
そして完全無欠に見えるレバンドフスキにも、わずかながら弱点はある。
「彼は両足で自由にボールを扱えるのですが、本来は右利き。左足でシュートを打てる場面でも、切り返して右足で蹴ることが多いんです。ですから『左足で決められたら仕方ない』くらいに割り切って、右足でのシュートを徹底してケアすれば、何本かは防げるかも」(中野氏)
◆サイドも中央も守りは穴だらけ!『週刊プレイボーイ』28号(6月25日発売)では、この続きに加えてロシアW杯の現地ルポも掲載。そちらもお読みください!