大会前は無印。それだけに日本の奮闘ぶりには驚きも大きかったようだ

ロシアW杯開幕前、海外メディアからの注目度は低く、日本は当然のように「グループ最下位」候補に挙げられていた。

だが、西野ジャパンはいい意味で予想を裏切った。海外メディアは、その戦いぶりをどう見たのか?

まずは初戦で対戦したコロンビアの『El Espectador』紙、ルイス・ギジェルモ記者。コロンビア戦は日本にとっては開始わずか3分にPKで先制できた上に相手がひとり少なくなるラッキーな展開となった。

「コロンビアにとってはPKでの失点以上に、開始3分で中盤の核であるC・サンチェスを失ったダメージが大きすぎた。

ただ、後半の日本の戦いぶりには感心したよ。冷静にボールをキープし、10人のコロンビアを消耗させたのはうまいやり方。日本とは4年前のブラジルW杯でも対戦したけど(4-1でコロンビアが完勝)、そのときからメンバーは代わり映えせず、監督も(アギーレ、ハリルホジッチ、西野朗と)猫の目のように代え、正直、開幕前はW杯を戦う準備がまったくできていないとみくびっていた。だからこそ、その賢く成熟した戦い方には驚かされたね」

続いては2戦目で対戦したセネガルの『L'Observateur』紙、イドリッサ・サネ記者。セネガル戦の日本は、相手に2度のビハインドを許しながらも、引き分けに持ち込む粘りを見せた。

「アジア勢だから体が大きくなく、フィジカルも強くないみたいにいわれていたけど、フィットネスのよさを含めてフィジカルの強さが目立っていた。何しろデュエル、つまりボール際の争いではほぼ日本が勝っていたじゃないか!」(サネ記者)

まさかアフリカの記者に、日本のフィジカルのよさを称賛されるとは思ってもみなかった! そして、サネ記者はこう続けた。

「(2試合で勝ち点4を取れたのは)日本がいいプレーをしていたということ。ヴァイッド(・ハリルホジッチ前監督)のときは守備しかしていないイメージだった。でも、西野監督になって"プレー"をしようとしているね。チームでボールを保持して戦おうとしているのが大きな違いで、点を取るためにプレーしているのがわかる。

香川や本田も使い方は(フル出場ではなく)限定的だが、彼らのいい部分が戻ってきた。まさか監督交代から2ヵ月でここまでできるとは。日本は守備で粘ったとしても、得点を挙げるのには苦労すると思っていたけど、2試合で4得点は素晴らしい。それもこれも勝つために果敢に挑戦しているからだと思う」

◆『週刊プレイボーイ』29号(7月2日発売)「海外メディアに聞きまくった『西野ジャパン、どう思う?』」より