「おっさんジャパン」と揶揄されたチームは世代交代が必須。次期監督には、若手を育てながら結果を出すという難しいミッションが課される 「おっさんジャパン」と揶揄されたチームは世代交代が必須。次期監督には、若手を育てながら結果を出すという難しいミッションが課される

今月中にも決まる可能性が大だという、サッカー日本代表の新監督。

候補として噂に上る国内外の指導者たちの顔ぶれとは!?

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ポスト西野は誰になるのか。次の日本代表監督についての報道が過熱している。

候補に挙げられているのはドイツとアメリカの代表監督を歴任したかつての世界的スター選手、ユルゲン・クリンスマン氏(53歳)や、五輪代表(U-21代表)監督との兼任となる森保一(もりやす・はじめ)氏(49歳)。さらにはアーセナルの監督を勇退したばかりのアーセン・ベンゲル氏(68歳)、元イタリア代表監督のロベルト・ドナドニ氏(54歳)らの名前も取り沙汰されている。

なかでも最有力視されているのがクリンスマン氏だ。「テレビ解説の仕事でロシア滞在中のクリンスマンと交渉するため、日本サッカー協会の田嶋幸三会長が急遽同国入り」「元浦和監督でクリンスマン氏の親友でもあるギド・ブッフバルト氏がコーチに就任か!?」など、かなり具体的に踏み込んで報じられている。 

もっとも、当のクリンスマン氏は日本メディアの取材に対し、「噂は真実でない」と否定しているのだが......。

いったい、どこまでが真実なのか? サッカー専門誌編集者のA氏が裏事情を語ってくれた。

「協会の側がクリンスマン氏に狙いを定めている事実はありません。彼は2016年11月にアメリカ代表監督を解任され、現在フリーなので、代理人が熱心に協会に売り込んでいるというだけ。日本は選手のクオリティがそれなりに高く、協会はきちんと約束の報酬を支払ってくれ、社会インフラが整備されていて治安もいいので、多くの指揮官の間で人気の国なんです。そのクリンスマンの代理人というのが交渉を有利に進めるため、あちこちで『就任は決定的』と触れ回っているのを、日本のメディアが真に受けて記事にしたというわけです」

では、田嶋会長の緊急ロシア再入国もデマ?

「田嶋会長はFIFA(国際サッカー連盟)理事ですから、当初からW杯の準決勝、決勝を観戦することになっていました。敗退した日本代表と共にいったん帰国しましたが、再びロシアに戻るのは予定どおりの行動なんです。そこに『現地でクリンスマンと交渉』と尾ひれがついたにすぎない(笑)。ブッフバルトのコーチ就任も、そうなったらいいなという願望レベルの話。ただし、次期監督候補としてクリンスマン氏が俎上(そじょう)に載せられているのは確かなので、最終的に彼が選ばれても不思議ではありません」(A氏)

ほかに報じられている指揮官はどうか?

「協会内に日本人指導者を推す声が少なくないので、森保氏は有力候補のひとりとみていいでしょう。ロシアW杯では西野朗監督のアシスタントコーチを務め、現代表のことも把握していますしね。一方、ドナドニ氏は自分から売り込みをかけているだけで、イタリア代表はもちろん、クラブレベルでもさしたる実績を残していませんから論外。

ベンゲル氏は能力面でも、日本サッカーへの理解という点でも、確かに協会内に待望論はあるのですが、報酬の高さがネックとなり、オファーすら出していない状況です。ほかに大物といえる指揮官から協会への売り込みはなく、関塚隆委員長以下、技術委員会も特に具体的なリストアップはしていないようなので、今のところ現実的な候補はクリンスマン氏と森保氏ぐらいだとみていいでしょう」(A氏)

◆『週刊プレイボーイ』31号(7月14日発売)「クリンスマン? 森保? 西野のサプライズ続投も? 2022年カタールW杯に向けて待ったなし!! サッカー日本代表の新監督候補、誰なら勝てんのか?」より