"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。盛り上がったサッカーW杯を両氏はどう見ていたのか?

前編では、後半終了までの約10分近くをパス回しに徹したプレイで物議を醸したポーランド戦、昔なら「卑怯なのは良くない」が主流派だった日本で、「ルール上OKなんだから、別に問題ない」という派閥が多くなってることに時代の変化を感じると語った。

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ひろ 今、法治国家の先進国だと、現実では「ルールで決まってないのであれば、どういう手段をとってもいい。世論の反発があるならルールを変えればいい」ってのが主流だと思いますけど、スポーツは「騎士道」とか「紳士であれ」みたいな考えがあったりもするんですよね。「子供の手本になるべきだ」みたいなのが、特に欧米では。

逆に今の日本って「現実が感情ベース」で「スポーツがルールベース」ってパターンな気がします。だから、外は喫煙NGなのに、室内はOKとかの謎の逆ルールがまだあるのかなと。

ホリ 確かにね。

ひろ ちなみに「『モラルなんかどうでもいい、勝てばいいんだ!』というのであれば、サムライブルーじゃなくて"ニンジャブラック"とかにしたほうがいい」ってツイートを見かけました。

ホリ (笑)。そういえば、ポーランド戦の前にマスコミがスタメンを予想していたんだけど、その内容がドンピシャで当たっていたことが話題になったよね。本田圭佑と長友佑都がツイッターで苦言を呈していて、マスコミに対しての批判も多かった。

ひろ まあ、メディアは自分たちの記事を売ったり、視聴率を稼ぐために仕事してるわけで、日本チームへの影響とかは二の次だと思うんですよ。

ホリ 結局は、彼らも仕事だからね。日本代表が勝とうが負けようが、自分たちの情報がほかの媒体よりも注目されたり、記事が売れるほうが大事なんだよね。

ひろ もちろん日本代表が勝ったほうが売れるし、視聴率も取れるんでしょうけど、戦術とか情報戦とかにはあまり関心がないように思えちゃうんですよね。

ホリ 情報を出すっていうと、ニュースでちらっと見たけど、本田圭佑選手はロシア大会限定だけど、新しいプロジェクトをやっていたみたい。「REALQアスリートβ」っていうらしいんだけど、有料で会員になるとフェイスブックグループに参加できて、「いいね」がたくさん集まった質問には答えてくれるってサービス。「選手たちがメディアを作るのか?」ってコメントもあった。

ひろ でも、これはこれで、ただのファンクラブみたいなものなので、メディアとしての取材力や中立性はないんでないかと。

ホリ ちなみにベルギー戦を見て思ったけど、日本のサッカーはフィジカル面は鍛えなきゃいけないとは思うけど、技術面では世界のトップとも遜色(そんしょく)はないし、精神面も昔に比べて改善されてたり、確実に成長しているよね。それに比べると日本のマスコミは......。

ひろ 成長がないですよねぇ。

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。『これからを稼ごう 仮装通貨と未来のお金の話』(徳間書店)が発売中

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『働き方 完全無双』(大和書房)