背筋も凍る怪情報とは......?

猛暑がほんの少し和らぎ始めるこの時期、そこかしこの球場で交わされる門外不出の"怪談"。

普段は決して表に出ることのない、思わずひんやりするようなネタの数々を、記者たちの匿名座談会でお届けします。そ、そんな話バラして大丈夫ですかーッ!!

* * *

デスク セ・リーグは広島が独走し、パ・リーグでも西武が頭ひとつ抜けそう。秋風が吹き始めたプロ野球の現場では、早くもストーブリーグネタを中心に新情報、怪情報が流れ始めたね。今回は、各人にとっておきの"怪談"を披露してもらおうか。

記者A では、私からいきますね。すっかり"元エース"になりつつある阪神・藤浪晋太郎が、ついにトレード市場に出されたようです。

記者B いきなり怖いネタ来た~(苦笑)。オリックスが「元本塁打王のT-岡田プラス投手ひとり」という、具体的な交換要員を挙げて交渉したという話は、確かに他球団のトレード担当者から流れてきた。阪神側は検討の末に断ったようだけど、門前払いではなく「検討した」という点がミソ。

記者C 阪神は「放出してよそで活躍されたら面目丸潰れ」という発想が根底にあるので、検討したというのはそれだけで"事件"ですね。藤浪はもうトレードで環境を変えるしかない、という声も根強いですし......。

デスク しかし、藤浪の交換相手となると相当なクラスの選手を要求するだろうな。T-岡田は2、3年前からトレード市場に出ているけど、さすがに阪神はそれじゃ応じられない。欲しいのは左じゃなくて、右の長距離砲だしね。

 ただ、オリックスは金子千尋(ちひろ)の衰えが目立ち、西 勇輝もメジャー志向。先発陣の補強は必須です。話題性としても藤浪という"コンテンツ"はかなり魅力的だから、ほかの選手を提示して再交渉する可能性もあるでしょう。

 他球団も放っておかないだろうね。本気で狙ってくるとしたら、日本ハムあたりかな。吉井理人投手コーチは指導・育成の実績があるし、球団として投手を再生させる手応えとノウハウも持っているはずだから。

 交換要員は......あっ、いた! 中田 翔だ。

デスク あー、今ゾクッときた(苦笑)。大阪桐蔭同士か。絶対なさそうで、しかしありえる話だなあ。

 昨年は成績が悪くFAを封印しましたが、本来は移籍願望の強い選手ですよね。

 ただ、今年もFA宣言には及び腰みたい。理由は......"村田修一ショック"

 村田が昨年、そこそこ成績を残したのに巨人を解雇された"ホラー"を見たからですよね。FAで三顧の礼で人気球団に迎え入れられても、最後は結局、外様扱いでポイ。自分もああなりかねないんじゃないか、という。

デスク でも、日本ハム球団としては、高年俸でピークを迎えた選手はいつでも放出する可能性を探っているはず。たとえ中田本人がFA宣言しなくても、看板級の大物野手を電撃トレードの駒にするというのは糸井嘉男(現阪神)がオリックスに行ったときのパターンだし。

 となると、ポイントは阪神が今、どれだけ中田を欲しがっているか、ですか。

 金本知憲(ともあき)監督は「若手を使う」と言い続け、しかし伸び悩みの現状。中田クラスのカンフル剤は必要と感じているはずだよね。

 ただ、それはあくまでも金本監督が来季も続投という前提での話ですよね? 今、すでに関西ではすごい批判にさらされているでしょう。もしCS進出を逃したら、翌日から関西のスポーツマスコミは"金本解任キャンペーン"ですよ、間違いなく。

デスク 背筋も凍る「阪神あるある」だな(苦笑)。もし本当に辞めることになったら、後任の本命は昨年まで2軍監督を務め、今も待望論が根強い掛布雅之オーナー付SEA(シニア・エグゼクティブ・アドバイザー)で決まりだろう。

 最近じゃ、ファンの間でも「掛布が芽を出させた選手を、金本が育てきれずに枯らしている」というイメージが定着しちゃってますからね。

 でも、そうなったら中田獲りからは一歩後退じゃない? 掛布監督なら中谷将大髙山 俊大山悠輔といった生え抜きを重用するだろうし、 藤浪もチーム内で再生しようと考えるだろうし。

 藤浪にしろ中田にしろ、来季の動向は阪神の監督次第、というわけですか。

★『週刊プレイボーイ』36号(8月20日発売)「今日もベンチ裏で飛び交う、背筋も凍る怪情報ホームラン王"2軍幽閉"の理由、悩めるエースのトレード話、あの超大物の監督復帰説......プロ野球真夏の怪談2018」より