日本代表の初陣は「メンバーを選び」と「目指すサッカーのイメージ」を見せてくれれば十分と語るセルジオ越後氏

森保体制の日本代表が初陣を迎える。相手はチリ(7日、札幌)とコスタリカ(11日、大阪・吹田)。相手がどんなメンバーで来日するかはわからないけど、W杯レベルともいえる国にどんな試合ができるか。まずはそこに注目したい。

思えば、4年前のアギーレ体制の初戦も強豪のウルグアイが相手だった。試合は0-2で完敗したものの、代表初選出の選手が4人もデビューを果たすなど、戦術も含めてそれまでのザッケローニ体制から大きく変わったことを覚えている。

ロシアW杯後に長谷部、本田が代表引退を表明するなど、今の日本代表にとって世代交代は喫緊の課題。だからといって、いきなりスタメンが若手だらけになるとは考えにくいけど、森保監督になって何がどう変わるのか。

代表である以上、常に結果は求められる。でも、この2試合に関しては、準備期間もほとんどないし、結果を最優先に求める必要はないと思う。もちろん、ボロ負けはダメだし、ある程度の内容は期待したいけど、どういうメンバーを選んで、これからこういうサッカーを目指すんだ、というイメージを見せてくれれば十分だ。

森保監督は五輪代表(現U-21代表)と兼任なので、当然ながら五輪世代の抜擢(ばってき)には期待したい。その一方で、個人的にはロシアW杯にギリギリで落選した中島、久保、浅野、三竿、井手口らの巻き返しも楽しみにしている。東京五輪だけでなく、4年後のカタールW杯も見据えれば、彼らの世代が代表の中心として頑張ってもらわないと困るからね。彼らと五輪世代が融合することで世代交代はよりスムーズに進むだろう。

森保監督にとって最初の試金石となるのは、来年1月開幕のアジア杯(UAE)。 シビアに結果を求められるその舞台に向けて、どういうチームをつくり上げていくのか、今回の2連戦を含めた年内の国内6試合で、なるほどというところを見せられるか、お手並み拝見といきたい。

そのことに関連して、ひとつ心配なのは、日本サッカー協会が森保監督を全力でサポートできるかということ。

例えば五輪世代のU-21代表を率いて臨んだアジア大会は、明らかにベストメンバーを招集できていなかった。Jリーグのシーズン中ということで、各チームからひとりだけという暗黙の招集ルールが働いたのだろう。今に始まったことではないけど、これは本当になんとかしてほしい。

クラブ側は「国際Aマッチデーではないから強制力がない」「主力を何人も取られては困る」と言い訳をしているのかもしれないけど、どうして自分の国の代表強化のための協力を惜しむのか。本来なら名誉なことなのに。

協会の関塚技術委員長は2012年ロンドン五輪代表の監督。当時も選手選考、各クラブとの交渉、強化予定の策定などに頭を悩ませたはず。だからこそ森保監督に同じ苦労を味わわせてはいけない。選手側にしても、世代の代表チームに選ばれる実力があるのに、妙なルールがあるせいでチャンスを逃すのは納得いかないはず。

残念ながら、日本代表を強くするためにつくったJリーグが、日本代表の強化の足を引っ張っている部分もあるんだ。この現状に対して技術委員会をはじめとした協会スタッフがどれだけ汗をかけるか、そこが今後の代表強化のキーになるだろう。

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