いよいよ10月13日にプロ野球のクライマックスシリーズが開幕 ※写真はイメージです

10月13日(土)にいよいよ、プロ野球のクライマックスシリーズが開幕する。ペナントレースはまだ終わっていないが、ひと足早く、ポストシーズンの行方を"ジンクスだけ"で占ってみた!!

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■"超当たり年"な西武

法則やジンクスからポストシーズンの行方を占うならば、今年、最も流れや勢いを感じるのがパ・リーグを制した西武だ。そもそも開幕前から、「法則どおりなら今年は西武」とささやかれていた。

というのも、1978年10月に西武ライオンズが誕生して以降、周年となる「『8』のつく年(88年、98年、08年)はいつも西武がパを制していた」からだ。辻 発彦監督もこの法則は知っており、年始の挨拶では「いいデータがそろっているし、優勝できる」とコメント。その宣言どおり、40周年の今年、見事に優勝してみせた。ちなみに、胴上げでは「8回」宙に舞った辻監督、実は58年生まれと、ここにも「8」が隠されていた。

この「8の法則」以外にも、「冬季五輪の年の西武は強い」というデータもある。平昌五輪のあった今年も含め、過去30年(9大会)で、冬季五輪の年の西武は日本シリーズに6度出場し、日本一2回の好成績。今年の西武は防御率、失点、失策がリーグ最下位なのに優勝したが、これは史上初の珍事だというから、やはり風が吹いて勝った!と言えるはず。このまま一気に日本シリーズへと駆け上がりそうな気配だ。

■"ジンクス破り"のソフトバンク

CS(クライマックスシリーズ)での挽回を狙いたい2位ソフトバンクで気になるのは「四半世紀ほど、日本シリーズを連覇した監督はいない」というジンクス。90~92年に西武・森 祇晶(まさあき)監督が3連覇を成し遂げてから実に25年もの間、日本シリーズを連覇したチームはあっても、同一監督が連覇をしたことは一度もないのだ。昨年の日本シリーズ覇者、工藤公康監督率いるソフトバンクはこのジンクスとも戦うことになる。

その一方で、ソフトバンクは「ジンクスがあるほど強い」のだ。11年には、「ポストシーズンのホークスは弱い」というジンクスを覆し、CSの前身であるプレーオフ制度が導入された04年以降、7度目の挑戦で初めて日本シリーズ進出を果たし、そのまま日本一へ。

14年には「退任宣言してから日本シリーズに勝った監督はいない」というジンクスを破り、退任する秋山幸二監督の下で日本一に。15年には「ロッテ5年周期で日本一」の法則を打ち破ってCSでロッテを倒し、そのまま日本一に。

昨年はCSが導入された07年から過去10年、パのファイナルステージでずっと続いていた「初戦に負けたら突破確率0%」のジンクスを初めて破って日本一となった。西武有利の法則が発動するほど、それがフラグのようにソフトバンク有利に働く、ということかもしれない。

最後に、パ・リーグ3位の日本ハムは「チームの顔が抜け、下馬評が低い年ほど粘り強さを発揮する」という法則にすがりたい。06年オフ、チームの顔といえた新庄剛志が引退し、小笠原道大(みちひろ)はFAで巨人へ。翌07年、最下位予想が叫ばれるなか、見事、パを制してCSも突破。日本シリーズ進出を果たした。

また、大エース・ダルビッシュ有がポスティングでメジャーへ渡った翌12年も下馬評を覆してCSを突破。となれば、二刀流・大谷翔平が抜けた今年もリーグ3位からの下克上があるかもしれない。

■広島はロシアを信じるしかない!?

圧倒的強さでセ・リーグ3連覇を遂げた広島。過去2年、日本一には手が届かなかっただけに、今年こそ、と期するものがあるはずだ。

そんな広島にうれしいジンクスを発見した。過去、「広島が日本一になった3回を振り返ると、なぜかロシア(ソ連)が世界的に話題になった年だった」というもの。

初めて日本一になった79年はソ連のアフガン侵攻。80年はモスクワ五輪。そして84年はロス五輪のボイコット。また、日本一にならずとも、第7戦以降までもつれた86年はチェルノブイリ原発事故、同じく第7戦までもつれた91年はソ連崩壊があった年だった。赤い色つながり?

そして今年は、サッカーロシアW杯で世界中がロシアに釘づけになった年。ならば、今年の広島は少なくともCSを突破し、日本シリーズ第7戦まではいけそうな気配だ。

ただ、気になるのは過去、広島がリーグ優勝した8回のうち、日本一になった3回とそれ以外の5回を比較すると「打点王のジンクス」が浮き彫りになること。チームに「リーグ打点王がいない年はリーグ優勝できても日本一になれない」のだ。そして今年も赤ヘル軍団には打点王がおらず......。チーム得点数リーグ1位の"どこからでも点が取れる"という強みでジンクスを打破してほしい。

■ジンクスどおりならセの大穴は......

広島を追う1番手、2位ヤクルト。昨季96敗で最下位のチームが復活したのは山田哲人の復調も大きいが、それ以上に日本球界復帰1年目で打率3割超の青木宣親の存在を挙げる声は多い。

ただ、「日本球界復帰1年目で日本シリーズの舞台に立った野手はゼロ」という不吉なジンクスが気にかかる。昨年、川﨑宗則が復帰したソフトバンクは日本一に輝いたが、川﨑自身はケガの影響でポストシーズン不出場。青木はこのジンクスを破れるか?

さて、リーグ3位はまだ未確定だが、ジンクス的には巨人が有利。なぜなら、「戌年は巨人にとって縁起がいい」からだ。過去の戌年を振り返ると、セは巨人か中日しか日本シリーズに進出していない。中日の目はもうないだけに巨人の逆転劇があるのか?

ただ、CSに出られてもヤクルトには「巨人戦8連勝中」の天敵・ライアン小川がいて、その先には今年8月に勝つまで13連敗を喫した鬼門マツダスタジアムで広島から4勝、という無理難題。道のりはかなり険しい。

一方、DeNAでは、ビジターにめっぽう強い守護神の山﨑康晃が明るい材料。今季、横浜スタジアムでは防御率5点台なのに、ほかのセ・リーグ本拠地では防御率0.00と見事な外弁慶っぷり。3位チームはずっとビジター開催のCSにおいて、鍵を握る人物になりそうだ。

ちなみに、「CS制導入以降、セ・リーグが日本一になった3回(07年中日、09、12年の巨人)の相手はいずれも日本ハム」。交流戦でも日本シリーズでもパ・リーグ勢に圧倒されっ放しのセ・リーグ勢が6年ぶりに日本一になるためには、神頼みならぬ"ハム頼み"が必要なのかもしれない。