ポジション争いは多ければ多いほどいいと語るセルジオ越後氏

日本代表の強化試合、パナマ戦(12日、新潟)とウルグアイ戦(16日、埼玉)が迫ってきた。

この原稿の締め切り時点で招集メンバーは発表されていない(日本サッカー協会は、10月4日に日本代表23名を発表)。ただ、若手中心で臨んだ9月のコスタリカ戦(3-0で勝利)後、森保監督はロシアW杯に出場した欧州組の招集を示唆していたので、ここから来年1月開幕のアジア杯に向けての本格的な競争が始まることになるはず。

格下とはいわないまでも、力が劣ると思われるパナマとの試合はいろいろな選手を試すいい機会。森保監督には東京五輪世代の選手を積極的に起用してほしい。9月の代表戦には堂安、冨安、伊藤の3人が招集されたものの、チリ戦が中止になったこともあり、試合に出たのは堂安だけ。僕に限らず、冨安や伊藤のプレーも見てみたいと思った人も多かったんじゃないかな。

五輪代表(U-21代表)との兼任監督だからこそ、そのメリットを生かして、若い選手をどんどん引き上げ、チャンスを与えるべきだ。そうすることでA代表の世代交代だけでなく、五輪代表の強化も促進させられる。

そして、ウルグアイは相手にとって不足なし。予備登録メンバーに入っているスアレス、カバーニ、ゴディン、ベンタンクールらが本当に来日すれば、これ以上ない貴重な強化試合となる。

なかでも見どころは中島、堂安、南野らコスタリカ戦でアピールに成功した選手たちが、今度はどんなプレーを見せるか。コスタリカ戦のように日本がずっと主導権を握る展開は望めない。自陣に押し込まれる時間帯も長くなる。そういうレベルの高い相手に何ができるか。ここでも結果を出せるようなら、世代交代は一気に進むし、それを期待したい。

ただ、矛盾することを言うようだけど、このまま"無風"状態で世代交代が進むことには物足りなさも感じてしまう。ロシアW杯に出場した欧州組には、若い選手に簡単にその座を譲ってほしくない。

チームのレベルアップは、激しいポジション争いがあってこそ成し遂げられるもの。だから「代表はそんな甘いところじゃない」「世間はもう忘れかけているかもしれないけど、俺たちはロシアW杯で決勝トーナメントに進んだんだ」という意地を見せてほしい。

ロシアW杯に出場した欧州組で今季、所属クラブでコンスタントに先発出場しているのは長友、大迫、酒井宏、乾くらい。吉田や柴崎、原口、岡崎、武藤らは苦戦している。特に心配なのは香川。彼はまだ29歳、年齢的には代表を引っ張っていかなければいけない。このままドルトムントで試合に出られない状況が続くようなら、冬の移籍市場で新天地を探すべきだ。

長友のように出場機会を求めて愛着のあるクラブ(インテル)を離れ、結果、好調時のプレーを取り戻したケースもあるのだから。いずれにしても、若手の高い壁になってもらいたい彼らが"自滅"しているような状況は好ましくない。  

例えば左サイドの中島と乾、右サイドの堂安と原口、トップ下の南野と香川、どちらが代表の先発にふさわしいか。こうしたポジション争いは多ければ多いほどいい。それが日本代表のレベルアップにつながる。選手たちには今回の2試合はもちろん、アジア杯に向けて所属クラブでの継続的なアピールを期待したいね。

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