鹿島と川崎にはJリーグを牽引してほしいと語るセルジオ越後氏

サッカーファンには忙しい一日だった。11月10日、川崎がJリーグ連覇を決め、鹿島がアジアチャンピオンズリーグ(ACL)で初優勝を決めた。両チームにはおめでとうと言いたい。

鹿島はペルセポリス(イラン)との決勝第2戦を0-0で引き分け、2戦合計2-0として初のアジア制覇を達成した。第2戦は約10万人の観客が詰めかけた完全アウェー。それでも第1戦で奪った2点のリードが大きかったね。相手は焦りからかどんどんボールをタテに放り込んできて、鹿島にとっては守りやすい展開になった。

もちろん、鹿島の守備陣の頑張りは褒められるべきだ。ストッパーの昌子とチョン・スンヒョンはクロスをはね返し続け、ボランチのレオ・シルバと三竿は何度もピンチを未然に防いだ。大会MVPに輝いたFW鈴木も前線でボールを追いかけ、時には自陣まで戻って守備をするなど体を張った。守ると決めたら守る。それをチーム全体で徹底できたのが鹿島の勝因だ。

今季前半の鹿島は波に乗れなかった。でも今夏、ジーコがテクニカルディレクターとしてチームに復帰して以降は強さを取り戻した。主力の金崎、植田が移籍しても、途中加入のセルジーニョ、チョン・スンヒョンが穴を埋め、さらに故障から復帰した昌子が守備に安定感をもたらし、攻撃面では若手の鈴木や安部が勢いを与えた。

特に今季の鈴木の成長は目を見張るものがある。金崎が移籍して「自分がやらなければ」という気持ちが強くなったのかな。ロシアW杯後、Jリーグの話題がイニエスタとフェルナンド・トーレスばかりだったときも、そのふたりよりも継続していいプレーを見せていた。今やチームの顔。日本代表でもプレーする資格があると思う。

鹿島は懸念された過密日程もなんとかやりくりして、Jリーグの順位も来季ACL出場圏内に上げてきた。今季の頑張りはしっかり評価すべき。結果を出しながらも着実に世代交代も進めているし、来季以降も期待できるんじゃないかな。

一方、川崎は2試合を残して早々とJリーグ連覇を決めた。シーズン前半はもたついたけど、チームとしての完成度が高く、W杯後は圧倒的な強さを見せた。広島をはじめとしたライバルチームの自滅も追い風になったね。

中盤の(中村)憲剛、大島がゲームをコントロールし、家長や阿部がアクセントを加え、エースの小林が決める。両サイドバックのエウシーニョ、車屋の攻め上がりも破壊力がある。しっかりと守ってカウンターを狙うサッカーをするチームが大半のJリーグにあって、あの細かくボールを回す攻撃サッカーは独特で、見ていて面白い。

川崎といえば昨季までなかなかタイトルを獲れずに苦労していたけど、一回優勝したことで何かをつかんだのかもしれないね。

来季以降も彼らの攻撃的なサッカーはブレないと思うけど、選手層は決して厚くない。また、前線にベテランが多く、外国人枠も余らせている。当然、オフの補強がポイントになる。即戦力の日本人、将来性のある若手、大物外国人など、昨季と今季のDAZNマネー(優勝賞金)をどう使うのか。今度はアジアでも勝つためのチームづくりが求められる。

鹿島と切磋琢磨(せっさたくま)してJリーグを牽引(けんいん)するのはもちろん、ぜひACL準決勝で両チームの対戦を実現してほしいね。

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