浦和にはもっと結果を求めたいし、真価が問われるのはこれからだと語るセルジオ越後氏

天皇杯は浦和の優勝で幕を閉じた。

浦和は立ち上がりから仙台に押し込まれたものの、前半13分に宇賀神がシュートを決めると、あとは必死に守って逃げ切った。"事実上の決勝"ともいえる準決勝、鹿島戦のダメージが色濃く、ベストの布陣を組めなかったのもある。攻撃をうまく組み立てられず、選手交代も含めて、なりふり構わず守りに徹した。内容的にはプアだったね。

一方の仙台は不利な下馬評、実質完全アウェーながらも積極的に仕掛けた。多くの時間を相手陣内でプレーし、シュート数も16対7と浦和の倍以上。決定的なチャンスこそなかなかつくれなかったけど、前線に強力な外国人選手がひとりでもいれば、と思わせる奮闘ぶりだった。失点についても、あんなすごいシュートはいわばアクシデントみたいなもの。運もなかった。

ただ、それも含めて、この日は浦和の勝利への執念が上回ったということ。無冠でシーズンを終われない、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)の出場権をなんとしても確保したい、という気持ちがプレーから伝わってきた。結局、Jリーグの順位(浦和5位、仙台11位)、実力どおりの結果になった。

準決勝の鹿島戦も含めた浦和の安定した守備は褒めるべき。今季の出足のつまずきを考えれば、途中から指揮を引き受けたオリベイラ監督は、よくここまでチームを立て直した。

とはいえ来季、ACLで戦うことを考えると、このままでは苦しい。興梠、武藤、柏木、槙野など主力は軒並み30代。昨季のACL優勝時よりも戦力は落ちている。リーグ5位という結果を真摯(しんし)に受け止め、来季に向けて選手の入れ替えを行なう必要がある。

岩波、橋岡らが台頭している守備陣はともかく、パンチ力不足の前線は気になる。今は興梠の負担が大きすぎる。獲得の噂が出ている杉本(C大阪)もいい選手だし、期限付き移籍先のJ2山口でゴールを重ねたオナイウも面白い存在だけど、昨季のACLで大活躍したラファエル・シルバのような強力なストライカーが欲しい。

一昨季のルヴァン杯、昨季のACL、今季の天皇杯と毎年何かしらのタイトルを獲っているとはいえ、人気クラブである浦和にはもっと結果を求めたいし、真価が問われるのはこれからだ。

さて、毎年この時期は、多くの選手の去就が取り沙汰される。特に今年は、日本代表でも活躍した大物の名前が多く挙げられている。楢崎、玉田、(佐藤)寿人、前田、稲本、駒野らが所属クラブを退団、もしくは退団濃厚で現役続行を希望しているようだ。

選手の引き際というのは、正解がないから難しい。例えば、ヒデ(中田英)は29歳で引退している。また、僕の場合は24歳でスパッとやめた。周りの人は「まだできる」と言っていたけど、もう若手とはいえない年齢でスター選手になれていなかったわけで、人生の次の可能性を探るなら早いほうがいいと考えたんだ。今でもその決断に後悔はないし、失敗したとも思わない。

もちろん、少しでも長く現役を続けたいという気持ちもよくわかる。また、日本代表での実績、ネームバリューがある選手なら、獲得に名乗りを上げるチームもあるだろう。納得するまで続ければいいと思う。ただ、プロである以上は試合に出てなんぼ。カテゴリー問わず、試合に出ることにこだわって、頑張ってほしいね。

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