ここまで3本のフィールドゴールを決めている渡邊。フォームの美しさはアメリカのファンからも称賛されている ここまで3本のフィールドゴールを決めている渡邊。フォームの美しさはアメリカのファンからも称賛されている

メンフィス・グリズリーズと「2ウェイ契約(シーズン中にNBAに45日間昇格が可能)」を結んでいる渡邊雄太は、昨年10月27日(現地時間)のNBAデビューから5試合に出場し、(1月15日時点で)8得点を挙げている。

さらに出場機会を増やすため、Gリーグ(マイナーリーグ)でチームの主力選手として活躍を続ける渡邊に、ここまでの手応えを聞いた。

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――昨年12月17日のゴールデンステート・ウォリアーズ戦では、NBA3試合目で初めてのフィールドゴール(FG)をマークしました。そのときの感触は覚えていますか?

「あれが初めて成功したFGなので記憶には残っています。ただ、もっと試合に出るようになって、より重要な場面で使ってもらえるようになったら、『あのFGはそれほど印象に残らないのかな』とも思っています」

――ウォリアーズ戦は、大差で負けていた最終クォーター残り約4分での出場でした。しかし、11月14日のミルウォーキー・バックス戦では、第1クォーターから出場して約8分間プレーしましたね。

「これまでのなかではバックス戦が最も長くプレーできて、一番緊張もしました。もちろん反省点は多いんですけど、あの試合ではブロックとリバウンドを記録し、チームも勝つことができたので、強く印象に残っています」

――プレシーズンから、ヒューストン・ロケッツ、ウォリアーズ、バックスといった強豪と対戦し、何人かのスター選手とマッチアップしました。そのなかで衝撃を受けた選手はいますか?

「断トツでヤニス・アデトクンボ(バックス)ですね。彼のインパクトは本当に衝撃的でした」

――アデトクンボ選手は今季のMVP候補にも挙がっていますが、彼のすごさはどこにあるのでしょうか?

「対戦した試合はベンチから見ている時間のほうが長かったんですが、グリズリーズのディフェンスも全然悪くなかったと思います。それでも、彼がリバウンドからドリブルしてきたときの突破力はすさまじかった。そして、ゴールに近づいたらすべてダンク。『そこからダンクにいくの!?』と驚かされることも多くて、正直、止めようがなかったですね(苦笑)。

技術的には、ジェームズ・ハーデン(ロケッツ)、ステフィン・カリー(ウォリアーズ)のほうが優れていると思うんですけど、インパクト、衝撃という点では、個人的にアデトクンボが上です」

――次に対戦したときにどう止めるか、というイメージはできていますか?

「うーん、まだちょっと......。ほかの選手たちもすごいですし、例えばハーデンなんかには、どんなにいいディフェンスをしても30点、40点くらい取られてしまう。ただ、アデトクンボの止め方はもっとわからないです」

2018年のハイライトは、「2ウェイ契約を結んだ喜びを家族と共有できたこと」だという。今年はNBA本契約というさらなる朗報を届けられるか 2018年のハイライトは、「2ウェイ契約を結んだ喜びを家族と共有できたこと」だという。今年はNBA本契約というさらなる朗報を届けられるか

――現在は、Gリーグで活躍しながらNBAでのプレー時間がなかなか増えない、もどかしい状況だと思います。NBAへのアジャストメントの難しさは感じますか?

「グリズリーズのコーチが自分を使ってくれないのは、単に自分の実力不足なので、そこに関して不満は一切ないです。いち早く、もっとうまくなってコーチの信頼を勝ち取らないといけない。試合に出られないからといってフラストレーションがたまることはないですし、逆にモチベーションになっています」

――今後の目標は、やはり2ウェイ契約から本契約にステップアップすることですか?

「そうですね。当面の目標は、NBAでのローテーション入りになりますが」

――そのための課題はなんだと感じていますか?

「これは以前から言っていることですが、もっとシュート力を上げなければいけません。Gリーグでも最近はシュートの成功率が落ちている。特に3ポイントシュートを安定して決められるようになれば、コーチも僕を使いやすくなると思います。ディフェンス面でもさらに成長し、高レベルでプレーの波を少なくすること。グリズリーズのコーチ陣から具体的に言われているわけではないですが、自分を客観的に見た上での課題はそんなところです」

――NBAとGリーグの最大の違いはどこにあると感じていますか?

「"当たり"の強さが全然違いますね。Gリーグでも技術が高い選手はたくさんいるんですけど、NBAはそれに加えて体が強く、頭もいい。ほかに具体的な例を挙げるのは難しいですが、NBAは全体的にひと味もふた味も違うと思います」

――待遇面も違いますか?

「Gリーグのフライトは乗り継ぎが基本ですから、NBA (のチャーターフライト)は楽ですね。自分たちだけで広い足場の席に座れるのと、一般の人が隣に座っているGリーグのエコノミーフライトでは、2、3時間の移動でもリラックスの度合いが全然違います。

NBAはホテルの部屋も広くてきれいです。Gリーグのホテルも悪くないですけど、NBAと比べるとやっぱり落ちる。僕は基本的に個室をもらえていますが、相部屋のこともありましたから」 

――最後に、今年成し遂げたいことを教えてください。

「先ほども話したとおり、NBAのローテーションに入ることです。そこに食い込むためには何をしなければいけないかを常に考えながら、日々を過ごしていきたいです。(NBAでの出場機会がなかなか増えないことで)焦りがないかと言われたら、正直なくはないです。ただ、焦ってもしょうがない。今は根気よくやっていかなければいけないと思っています」

Gリーグのチームで練習を行なう渡邊。評価が高いディフェンス面だけでなく、32得点を記録する試合もあるなど、オフェンス面での存在感も増している Gリーグのチームで練習を行なう渡邊。評価が高いディフェンス面だけでなく、32得点を記録する試合もあるなど、オフェンス面での存在感も増している